湘南之民素人劇団「湘南えぼし座」(亀井隼人代表)によるオリジナル演劇「大岡さばき」が17日、市民文化会館で3年ぶりの公演を果たし、観客を魅了した。
毎回、大岡越前祭と併せ、時代背景や茅ヶ崎ゆかりの内容を取り入れた舞台で人々を楽しませてきたが、昨年と一昨年はコロナで中止に。それでも、今年は同劇団の「祭りがなくならないよう、つなぎ止めるためにも絶対にやる」という強い決意のもと、多くの市民からの励ましや上演を待ち望む声が上がっていたことも後押しとなり、開催を決定。3歳から77歳の市民ら43人が役者として参加し、急ピッチで準備を進めてきた。
実施困難な中での稽古
コロナ下で不安を抱える中ではあったものの、「(集まりにくい中で)稽古場でしかできないことをやろう」を合言葉に、役者たちは事前に台本を覚えてきた上で稽古に臨み、全員で舞台全体の流れなどの仕上げに全力を挙げた。ただ、コロナによる制限で発声練習は1度もできず、大きな声が出せない中での稽古だった。
そうして迎えた本番、スタッフの不安をよそに役者たちは躍動。しっかりと声を張り、大ホールに響き渡らせた。
くしくも、主役の大岡越前役、悪代官の老中役は、共に3年前の公演直前に中止となって涙をのんだ二人。今回はその時の悔しさを晴らすべく、堂々と演じ切り、スタッフからも「演じさせることができて、本当に良かった」と安堵の声が漏れた。会場に詰めかけた約500人の観客は久々の「大岡さばき」を存分に楽しみ、笑顔を見せていた。
上演を終えて亀井代表は本紙のインタビューに対し、「人と人のつながりは、世の中の混乱くらいでは途切れないと確信した」とし、「支えてくれた皆さんの応援に感謝です」と話した。来年の開催についても言及し、「これまでのような台本の量に戻し、今年よりももっとスケールアップさせ、インパクトのあるものにして、皆さんをあっと驚かせたい。そして、茅ヶ崎に元気を与えたい」と力強く意気込みを見せた。
|
|
<PR>
茅ヶ崎・寒川版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|