市内東海岸北在住のダニエル・ドーランさんが、ロシア軍の侵攻により被害を受けているウクライナ民間人に対して、避難活動の直接支援を行っている。生活サポートや資金確保など、多くの課題解決に向けて、協力者を募集中。ダニエルさんは「私たちには想像もできない苦労や不安があるはず。その心を少しでも癒やすことができれば」と話す。
「一人一人が、できることをやっていく」
アメリカ出身のダニエルさんは、妻と結婚したのをきっかけに25年前に茅ヶ崎に移り住み、大学教授として教鞭を執っている。ウクライナとのつながりはないが、難民を支援するウェブサイト「ウクライナ・テイク・シェルター」の存在を知ると「何か役に立てれば」と思い、支援者リストに登録。「多くの知人がいるから、あなたを助けられるよ」と英語で投稿すると、すぐに返信があったという。
複数人とメッセージのやり取りをする中で、難民を装った人にも遭遇。フェイク情報を見極め、慎重に相手先を選んだ末、オルガ・ティーシェンコさんへの支援を決めた。資金不足により航空券が得られないことを知れば、勤務先の同僚らから寄付を募り資金を集めたほか、ビザ取得に関する身元保証人を引き受けたりもした。
また、これと同時に、ダニエルさん同様にウェブ上で支援登録を行った人を集めたSNSグループを作り、個人ではなく、チームとして日本での受入体制を整えた。
こうした経緯のもと、横須賀在住の支援者が住居などを提供し、オルガさんの来日が実現した。コロナ対策による待機期間を経て、4月17日に茅ヶ崎を訪問。オルガさんの体調面を考慮し、短時間の滞在だったが、ダニエルさんと初対面を果たした。オルガさんは「日本に来られて良かった。涙が出るほどうれしい」と感謝の意を伝えた。オルガさんは今後、東京都からの支援を受け、都内で暮らす予定。
茅ヶ崎で受け入れ目指す
ダニエルさんのもとには、支援を求めるメッセージが絶えない。「1日に3、4時間メールのやりとりをすることもしばしば」とダニエルさんは話す。そうした中、現在は68歳と24歳の女性とやりとりし、受け入れの準備を進めている。
「避難志望が多数ある一方、支援体制が整っていないのが課題」とダニエルさん。知人やインターネットをフル活用しながら体制づくりに奔走中。今後は独自の支援サイトの立ち上げや、有志から資金を募るクラウドファンディングなども計画している。
ダニエルさんは「茅ヶ崎に長年住み、安全性はもちろん、心を癒すには最適な場所だと良くわかった。支援に関心のある仲間を集め一つになれば、茅ヶ崎での受け入れは決して難しくはない。ただ、私一人の力ではこれを達成できないので、多くの人に協力してほしい」と懇願する。
協力希望者はダニエルさんにメール(【メール】daniel@jfou.org)を。
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