茅ヶ崎市は4月22日、市内を運行するコミュニティバスえぼし号について「6月1日の始発から運賃の支払いに交通系ICカードの利用が可能になる」と発表した。新型コロナ対策として接触機会を減らすことを目的に導入が進められていたもの。当初は4月から利用開始の予定だったが、同時に行われた一部路線の料金改定に時間がかかり、2カ月遅れでの実施となった。
コミュニティバスは交通空白地域や不便地域の解消を図るために自治体が運行するもので、「えぼし号」は2002年5月に導入された。
現在は市立病院を起点として中海岸南湖、北部、鶴嶺、東部の4ルートで運行されている。
これまで支払いは現金のみだったが、乗客の利便性向上とともに、新型コロナ対策として接触機会を減らすことにもつながることから、市は交通系ICカード決済の導入を決定。その費用として約1200万円の補正予算が昨年9月の市議会定例会に提案され、可決されていた。
当初は4月からの利用開始を予定しており、3月末までに全車両に機器の設置は完了していた。
料金改定に時間
また市ではICカード決済の導入に合わせて、これまで150円だった中海岸南湖循環市立病院線と同路線と重複する東部循環市立病院線松が丘コースの一部区間について、他の3路線と同額となる200円への値上げを行う予定だった。
これはコロナ禍による利用者の減少や燃料費、人件費等の上昇による収支悪化を受けたもので、昨年12月22日には地域住民や運送事業者、警察関係者、学識経験者らで構成する地域公共交通会議に値上げを提案した。
しかし委員からは根拠を示すように意見が上がったことなどから、継続審議となった。
さらに、その後「まん延防止等重点措置」が神奈川県にも適用されたことなどから、会議が開催できない期間が続いた。
結局、3月31日の同会議で従来から30円の値上げとなる180円を提案し了承されたものの、運賃の改定に関する届け出が必要なことや、システムの改修等に時間がかかることなどから、4月からのICカード利用開始は見送られていた。
市都市政策課は「もともとコミュニティバスは市による負担を前提としているが、事業を安定的に継続していくためにも運賃の上昇についてご理解をいただきたい」と話している。
|
|
<PR>
茅ヶ崎・寒川版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>