連載Vol.4 世界が切り替わる魔法の言葉
鍼灸師・カウンセラーの鈴木友紀子さんによる、人生を大きく変えた一言や救われた一言、それにまつわるエピソードと「言葉の持つ力」について紹介する連載コラムです。
痛みは嘆きを知らせるサイン
70代のTさん(女性)は、右肩の強い痛みに悩んでいました。「もう半年も痛みが続いていて病院に行っても、歳だからと言われるだけで何もしてくれないの」と困惑顔。
実際、数回鍼を施しても、症状は改善しません。そこで、こう投げかけてみました。
「誰にも言わずに抱え込んでいるお気持はありませんか?原因不明の痛みは、嘆きを知らせる体からのサインなんですよ」
そんな話、信じられないという表情を浮かべながらも、Tさんは促されるまま、ぽつぽつと納得のいっていない大切な人への想いを語り始めました。
それは、周りにいる人全てを守るために飲み込んでいた、けれど、どうしても消化し切れない心の叫びでした。
そして、話終えると「こんな話、誰にもするつもりなかったのに」と恥ずかしそうに潤んだ目を拭いました。
それから1週間後、あーら不思議、笑顔で訪れたTさんは「あの後、本当に痛みが消えたのよ。こんなこと実際にあるのねー!」とうれしそうに、右腕をくるくると回して見せてくれました。
これ嘘みたいなホントの話。
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