「第23回高校生国際美術展」(世界芸術文化振興協会主催)の美術部門で、県立茅ケ崎西浜高校3年の遊作(ゆうさく)真由さんが内閣総理大臣賞を受賞した。シカをモチーフに重厚感あふれる立体作品を手がけた。
全国の高校生を対象にした同展は美術と書の2部門で作品を公募。美術の部には1285点の応募があり、一次・二次審査を通過した151点が入賞した。8月3日に都内で表彰式が行われた。
「復活」と題する遊作さんの作品は、発泡スチロールを削った土台に半紙を貼り、使い古しのペンや釘、自転車のライト、アイロン、洗剤容器などの廃品を組み合わせてシカを表現。絵の具で全体を着色し、古びた金属のような質感を出した。高さは約130cm。
「がらくたが再利用される過程を、シカとなって復活するイメージに重ね合わせた。今にも飛び上がりそうな姿にしたことで作品を力強く、大きく見せられるようにできた」と遊作さん。シカが外国で復活を象徴する生き物とされていることに着想を得たという。
かっこよく再構築
美術部に所属。春休みから制作を始めた。作品の高さが応募規定を越えていたため、シカの角を短く作り直すとともに、片方の角をコンパスと絵筆で表す工夫を凝らし、シカの顔の形にこだわった。部活動のない土日も学校に通い、5月に作品を仕上げた。実は、昨年もシカの立体で高校生国際美術展に応募したが、一次審査で落選。今年はシカのポーズなど前回の作品で「満足できなかった部分」に改良を加えての再チャレンジだった。
顧問の萩谷千春教諭は遊作さんについて「素直で周りの意見を聞く心がある。そのアドバイスに自分の考えを反応させ、どんどん成長した結果が受賞につながった」と称える。
ものづくりが好きで、建築にも関心があるという遊作さん。総理大臣賞の受賞に「賞を取ろうというより、自分が絶対にかっこいいと思えるものを完成させたかったので、『よっしゃ』とうれしい限り。これからも作品を作り続けていきたい」と意欲を語る。
国立新美術館で展示
市内の高校からは、県立茅ケ崎高校2年の岩澤佳歩さんの油絵「ウリモノ」が奨励賞に選ばれた。遊作さんと岩澤さんの作品を含めて、美術と書の各部門の奨励賞以上の作品398点および海外13カ国の高校生の作品が、国立新美術館=港区六本木=で8月21日(日)まで展示されている。観覧無料。時間は午前10時から午後6時(最終入場5時30分)まで。
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