東海岸南在住のパラ水泳選手、田中映伍さん(18、二宮高校3年)が7月17日、18日に行われた「横浜国際プール第1回インクルーシブ水泳競技大会」に出場し、200m個人メドレーで日本新記録を樹立した。3月から専門的な指導を受け始めたことをきっかけに記録を伸ばしており「2年後のパラリンピックパリ大会へいい弾みになった」と語る。
障害の有無などに関係ない「インクルーシブ」な大会を目指して初めて開催された同大会。国内トップのパラアスリートとともに小・中学生の水泳選手ら約130人が参加した。
田中さんは2日目に行われた200m個人メドレーに出場すると、3分28秒16でSM5(手足の欠損など重度の運動障害があるクラス)の日本新記録をマークした。
これまでの自己ベストは昨年12月にバーレーンで行われたアジアユースパラ大会で金メダルを獲得した際の3分39秒30で、実に11秒近くタイムを縮めることになった。
専門的指導で開花
生まれつき両腕のない障害がある田中さんが、パラ水泳に取り組むようになったのは中学生の頃。すぐに頭角を現し、2021年の日本パラ水泳選手権で50mバタフライ2位に入るなど、国内トップ選手として活躍している。
しかしこれまで練習は、市内萩園の屋内温水プールが中心で特定の指導者はいなかった。こうした事情を聴いた知人の紹介で、今年3月から本村の水泳教室「パルバル湘南スポーツクラブ」に通うようになったことが、さらなる飛躍のきっかけとなった。
指導を担当する熊澤智典さんが「こちらが伝えたことをすぐに実践し、それを継続できるのが彼の強み」というように、専門的な指導を受けて、技術面が向上。田中さん自身も「これまでは膝下だけのキックになっていたが、下半身全体をしなやかに使えるようになり、推進力が上がった」と手ごたえを口にする。
さらに陸上トレーニングにも本格的に取り組むようになったことでパワーとスタミナが増し、レース後半でもスピードが落ちなくなった。
そのため今回の試合では「泳ぐ前から自己ベストを出せる自信はあった」と振り返る。
パリへ50mバタ強化
目指すは2年後のパリパラリンピック。日本新をマークした200m個人メドレーは正式種目ではないため、今後は「本命」という50mバタフライの強化を進める。
そのためにも、9月に横浜で開かれる「ジャパンパラ水泳競技大会」での活躍を誓う。
来年にはイギリスで世界選手権があり、まずは参加標準記録を上回ることが必要となる。田中さんは「経験のためにも世界選手権は必ず出たい。パリまで2年はあっという間だと思う。まだまだ伸びると思っているので、練習の質を高めていきたい」と話している。
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