書家として初めての個展「出逢い」を開催する 稲村 瑞穂さん 浜須賀在住 48歳
静かなる情熱、筆に乗せ
○…自宅兼アトリエで書道教室「ふたばの樹」を主宰し、16年前から書道の魅力を伝えている。毛筆や机の前にこだわらず、公園で木棒や水鉄砲で書いたり、葉や木の実も組み合せるなど、遊び心のある手習いを展開。「力(りき)むと、何事もうまくいかなくなるから、心身がゆるむことが大切。とにかく楽しんでもらいたい」。透明感のある声と穏かな口調が印象的だ。
○…兵庫県宝塚市の出身。7歳で書道と出合う。「良い先生に出会えて楽しい記憶ばかり。書道だけは継続できた」。短大卒業後、会社勤めに疲れてチャリティ活動に参加したことが転機になった。同じ価値観の仲間と出会い「人の役に立つことは、こんなにも楽しいのかって」。留学先のイギリスでは奉仕キャンプに参加し、難民の子どもらと交流。帰国後、資格を取得し、川崎の多文化保育園で保育士として児童福祉に関わった。
○…結婚を機に茅ヶ崎へ。物静かな佇まいからは想像できないが、子育ての傍ら、パワフルに社会活動に注力。数百人規模のイベントや情報発信を行うも、「反対!と、拳を振り上げるやり方では問題解決から離れてしまうし、大人数になるほど情報や熱量が薄まって伝わりにくいのかな」。現在はスタンスを変え、縁のある人に丁寧に伝えている。
○…書道歴は40年。自身の作品発表は積極的ではなかったが、コロナ禍を経て心境の変化があった。「自己表現したくなって書道パフォーマンスを始めたら、涙を流して喜んでくれる方もいて。言葉よりも、書で表現する方が伝わるのかもって。何よりも、私自身が癒されて自分を取り戻せた」。初個展では、心に響いた言葉を書に乗せたほか、陶芸とのコラボにも挑戦。「思い思いに受け止めてくれたら」
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