コロナの影響により中止となっていた伝統の浜降祭が4年ぶりに復活する。熱気あふれる同祭を陰から支える方々にお話を聞き、「特別な日」を前に、同祭にかける意気込み、思いについてうかがいます。(最終回)
「誰もが楽しめる浜降祭に」茅ヶ崎海岸浜降祭連絡調整部会会長 渡邉 雅夫さん(71)
浜降祭当日の道路規制に伴う指導や、会場となる茅ヶ崎西浜海岸での警備、神輿や担ぎ手たちの会場までの移動、休憩所の設置など運営全般にかかわる調整役を引き受ける渡邉雅央さんに同祭への思いを聞いた。
渡邉さんが担うのは、神輿と担ぎ手をトラックなど車両に載せて移動する神社と、渡御(神輿を担いで進行)する神社両方のスケジュール管理、鉄砲道の「南湖中央交差点」に参加神社が一堂に集結し西浜に向かうまでの出発時間の調整、交通規制時間内での神輿の搬出入、会場設営、警備など多岐にわたる。
交通規制、難しいかじ取り
とりわけ、会場周辺の交通規制(午前4時から9時)に伴う神輿の搬出入は、慎重かつ迅速性が求められる。警察からは「9時までに神輿を撤収するのではなく、9時の時点で通常の交通状況に戻っているように」との指導を受けた。「参加する34の神社すべてに時間を守ってもらうようにお願いした」と話す。
会場の警備については各神社から警備スタッフを招集するとともに、警察に提出する自主警備計画を立ててもらい、警察からの指導を受けるとその都度各神社に通知。必要があれば説明にも当たった。
今回は会場のレイアウトも以前と異なる。2019年の開催時と違い、会場の形状が変わったことから、視察として部会の役員たちと現場に何度も足を運び、状況を確認した上で会場規模をやや縮小することを決めた。それに伴い、従来の車両の搬入路や担ぎ手の休憩所なども変更。各神社に報告をしたところ、一部から不満が出たこともあったが、説得に回って収めたという。
神社を取り巻く環境も変化した。コロナで中止となった3年間で神社の人員体制も変わり、同祭を経験していない役員からの質問に応じることも。「34の神が集結する祭りだと理解してもらいたい。安全を祈願する側面もあるので神輿だけでなく神事であることをわかってほしい」と話す。
自身は浜之郷で生まれ育ち、物心が付いたときには身近に神輿があった。同祭には17歳から鶴嶺八幡社の担ぎ手として参加し、20年ほど活躍した。「往路では滝のような雨の中で担いだこともあるよ。いろんなことがあったな」と笑う。神輿会の役員を経て、55歳で鶴嶺八幡宮の役員に。後に筆頭総代も5年間務め上げた。「鶴嶺地区は神社を中心にまちづくりが進んでいった。そうした移り変わりをずっと見てきた」。
「正月より大事な祭り」
4年ぶりの同祭を間近に控え、「初めて来る人でも誰もが気軽に楽しめて、参加できる、そんな浜降祭にしたい」と意気込む。「浜降祭は正月よりも大事な祭り。夏の始まりだから」。
たくさんの人々の思いを乗せ、「暁の祭典」がいよいよ幕を開ける。
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