学芸員のイチ推し! -連載 Vol.12-
水田から姿を現した鎌倉時代の橋杭
大正12(1923)年9月1日に発生した関東大震災の際、市内下町屋(しもまちや)の水田では、液状化現象によって、今日「旧相模川(きゅうさがみがわ)橋脚(きょうきゃく)」と呼ばれている橋杭(はしぐい)が出現しました。その後の調査によって、かつてそこに、幅9m、長さ40m以上の橋が存在していたことがわかっています。
鎌倉時代の初め、建久9(1198)年、その橋は完成したと考えられます。その日執り行われた渡り初め式には、鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝の姿もありました。その橋は、頼朝にとって義理の妹にあたる女性の冥福を祈って架けられたものだったのです。
その後、建暦2(1212)年、朽ちて壊れかけていたその橋は交通の要衝だったため、幕府は修理することになります。しかし、鎌倉時代の末頃には既に橋は無くなっていました。
現在、その鎌倉時代の橋杭の遺構は、国史跡・天然記念物に指定され、現地では橋杭の精巧な模型を見学できます。また、茅ヶ崎市博物館では現在、「地震で現れた橋」という展示コーナーで、出土品や橋の復元模型を通して「旧相模川橋脚」を紹介しています。出現から100年、開催中のパネル展「関東大震災100年」もあわせて、この節目の年にご覧ください。
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