浜竹在住の原侃子さん(91)は、50年にわたってキルトなどの作品を作り続け、「卒寿のキルト展」と題した個展を、茅ヶ崎市民文化会館で7月に開催した。6日間で800人が訪れる好評ぶりで、期間中には日本ヴォーグ社が発刊する雑誌「キルトジャパン」の取材があり、10月号に「90代のキルター」として1ページを使って紹介された。明後日で92歳を迎える原さんに、毎日をいきいきと送る秘訣を聞いた。
湯河原に生まれ、短大で洋裁の基礎を学んだ原さん。もうすぐ七回忌を迎える夫の出張で海外に住んだこともあり、タイシルクなどの端切れが多くあったことからパッチワークに精を出すようになり、約半世紀が経つ。
「個展はたくさんの人が来てくれてうれしかった」。多くの来場者に対応する中、雑誌の取材も対応した。「まさかこんなに大きく載るなんて」と驚く。見開きのもう1ページで紹介された、白寿でキルトを教える女性からも電話が。「同年代のキルト仲間がいてうれしい」という話も早々に、雑誌の写真を見て「『なぜそんなにきれいに立っていられるの』など、健康の話で盛り上がったの。本当ならば飛んでいきたいけれど、そのうち伺いますね、って」とにこり。
今なお、「今日は何を作ろうかとワクワクして起きるの」と目を輝かせる。多くある端切れの中で「できるものを」とチクチクと針を通す毎日。「これがなければ、私は今何をしていたかしら。やることがいっぱい。夢中になれることがあるって幸せ」。
「きちんとした毎日心がけ」
歯は24本残っており、入院したのは数年前のけが以外は出産だけ。「丈夫に生んでくれた親に感謝しなきゃ」。現在は一人暮らしだが、毎日3食、しっかりと「贅沢はしないけれど栄養を考えて」和食を作り、好き嫌いなく肉・魚・野菜をバランス良く食べる。「だらしなく一日を過ごさない」のがマイルール。週に1回は10分以上かけて大型店に買い物に行き、「ショッピングカートはまだ早い」と一週間分の食料を担いで歩いて帰る。
池袋など、気になる作品展があれば足を延ばし、デパートに流行やデザインの参考にとウィンドウショッピングも続けている。親戚中からブラウスやワンピースなどの制作を頼まれるといい、できあがったら実際に着た写真を送ってもらう。「次に作る際の微調整にもつながるから」
針を動かし続けるのはやはり、喜んでくれるのがうれしくて、励みになるからだそう。健康の秘訣を聞くと、「好きなことを見つけて、飽きないで毎日続けることかしら。お裁縫は、一人でできてお金も掛からないから、いい道楽ね」。
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