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茅ヶ崎・寒川 文化

公開日:2024.01.19

浜須賀在住・あやのはじめさん
苦しみを短歌に昇華
自分史短歌集を刊行

  • あやのはじめさん。67歳で現夫と出会い、再婚。穏やかに暮らす

 浜須賀在住の作家・あやのはじめ(本名/嶌田はるみ)さんが、自分史短歌集『わすれ草』(文芸社)を12月15日に刊行した。

 哀しきは はは(姑)と一緒に 吾を叱る 君の心が 解らぬ辛さ

 短歌集では、時代・家・立場に翻弄され、耐え忍んで生きてきた、あやのさんの苦悩や悲しみを31文字で綴った。壮絶な経験を詠んだ600首から400首を厳選し、一冊にまとめた。

姑・夫からの虐げ息子の死乗り越え

 秦野市で生まれ育ち、家父長制度が色濃く残る昭和40年代、大家族の農家に嫁いだあやのさん。嫁姑の確執や、議員だった夫からのDV、汚職のぬれぎぬ、息子の死など、時代に抗えない女性の苦しみを味わった。

 「家事育児や仕事、介護、夫の政治活動に追われる中、文学が救いでした」。夫や姑の目を盗んでは、紙の端切れに書き留める日々だった。

 2001年に作家デビュー。これまで小説や日記エッセイなど4冊を出版している。

「声を上げることは、不平等と戦うこと」

 離婚を経て現夫と穏やかに暮らす中、文章で表現したいと試みるも、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しめられた。しかし、「差別や性暴力、いじめ、DVなどのすべての不平等に声を上げ、行動を起こすことは不平等と戦うことだと知った。短歌ならできるかも」と筆を執ると、言葉があふれ出てきたという。「この短歌集が少しでも世の中の問題に一石投じられたら。ぜひ手に取って」とあやのさん。

 短歌集は660円税込。全国の書店やウェブストアで購入可能。

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