学芸員のイチ推し! -連載 Vol.18-
茅ヶ崎にも訪れた「御一新(ごいっしん)」
今回は、約260年間続いた江戸幕府から明治政府へ政権が代わっていく怒涛の時期に出された高札をご紹介します。
高札とは幕府が出した法令や禁令などを広く民衆に伝えるために作られた木製の札です。盛んに用いられた江戸時代には高札場が設けられ、天保12年(1841)に成立した『新編(しんぺん)相模国(さがみのくに)風土記(ふどき)稿(こう)』にも茅ヶ崎各村にある高札場の数が書かれています。それによると村内に1カ所とは限らず、赤羽根村や平太夫新田、円蔵村、西久保村などには3カ所あったようです。
本資料は慶応4年(1868)3月に出された五榜の掲示のうち第二札です。明治政府が初めて民衆に向けて出した禁令であり、基本方針を布告する目的のほか政権が変わったことを周知する狙いもありました。明治6年(1873)には撤去が命じられますが、その後も廃棄されず現在まで伝わった貴重な資料といえます。本資料はサマリー展示内「低地」に通年展示されています。
博物館の基本展示には17のテーマがあり、年に3回展示が入れ替わります。さらに低地の暮らしについて知ることができる「低地に生きた人々」を含む4つのテーマは3月2日(土)から展示されていますので、ぜひご覧ください。
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