茅ヶ崎市は5月16日、パナソニックホームズ(株)神奈川支社と「大地震時の電気火災の発生抑制に関する協定」を締結した。市は震度5強以上の揺れを感知すると自動で電気を遮断する「感震ブレーカー」の普及を進めており、ハウスメーカーと同様の協定を結ぶのは3社目となる。
この日、市役所市長応接室で同社の久保健一支店長と協定書を取り交わした佐藤光市長は「事業者の皆さんと感震ブレーカーの普及に取り組めることは本当に心強い」とあいさつ。久保支店長は「住宅が凶器になってはいけないという使命感をもって、防災に貢献したい」と話した。
同社は今後、住宅の新築を検討している顧客に対して、分電盤内蔵型の感震ブレーカー設置を働きかけるほか、集合住宅でも導入を進めていくという。
「県内最大級」の延焼クラスター
市がこうした取り組みを進める背景には、2008年度に専門家の監修のもと行った地震の危険性に関する調査の結果がある。
この時、市内では火災に対して脆弱性があること、特にJR東海道線の南側に県内最大級の延焼クラスターが広がっていることが判明した。
その後、政府が大地震時の出火防止対策として感震ブレーカーの普及促進を位置づけたことなどを受け、市は導入に対する補助事業を開始。16年度に施行運用、17年度から本格的に開始した。
これまでに同事業を利用して設置された感震ブレーカーは1万8206基(23年度末時点)。普及率は17・1%(市が補助金を交付した感震ブレーカーの基数を世帯数で割ったもの)となった。特に市南部は住民の関心が高く、普及率も高いという。
市は「県が16年3月に定めた感震ブレーカーの設置率の目標(24年度までに10%)は達成しているが、当市は火災の危険性が高い地域も多い。独自に定めた『普及率25%』という目標に向けて、あらゆる手段を使って啓発に取り組んでいきたい」とする。
補助金申請スタート
今年度の補助金申請の受付が始まっている。
当初は自治会が設置希望者を募り、まちぢから協議会が取りまとめていたが、「手続きが煩雑」という声が上がるようになったことから、昨年度から自治会を通じて申請することになっている。
対象は市内在住の人で、補助額は感震ブレーカーの税込本体価格の3分の2(100円未満切り捨て、上限金額は3000円)。
詳細は市都市政策課都市政策担当【電話】0467・81・7181へ。
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