日向灘を震源とするマグニチュード7・1の地震が発生したことを受け気象庁は8月8日、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。茅ヶ崎市、寒川町でも行政職員らが対応に追われたが、大きな混乱はなく15日に注意の呼びかけが終了した。
茅ヶ崎市では、発表が出された翌9日の午前9時から、佐藤光市長や副市長、教育長、各部局の部長らをメンバーとする危機管理対策検討会議を開催した。
その結果を受けて、LINEやX(旧ツイッター)など市のSNSとホームページで、家具の固定や水、食料等の備蓄、避難経路や家族との連絡方法の確認といった備えについて、確認を呼びかける発信を行なったほか、佐藤市長のメッセージをホームページに掲載した。
寒川町では地震発生直後の8日午後5時に災害対策本部を設置した。その後、防災行政無線やホームページ、LINE、メール等で注意喚起を行ったほか、木村俊雄町長のメッセージをホームページに掲載。9日に神奈川県西部で最大震度5弱の地震が発生した際にも町長のメッセージを発信した。同町では15日まで毎日、防災行政無線やメール等で情報発信を続けた。
また茅ヶ崎市には14日までに20件の問い合わせが寄せられた。その多くが「どのような対策をしたらいいのか」や「自宅に近い津波一時退避場所を教えてほしい」と言った内容だったという。
発表の内容が「地震の発生に注意しながら通常の生活を送る」というものだったため、イベントの中止や行動の制限はなかった。茅ヶ崎市のサザンビーチ海水浴場も通常通り営業。寒川町では11日から15日まで学校閉庁日で部活なども行われなかったという。
備蓄品の売上急増
茅ヶ崎市内に4店舗を展開するスーパー「たまや」では水や缶詰、パックご飯など、保存が可能な食料品の販売が急増。一時的に欠品する商品もあり、現在もパックご飯は入荷自体が少ない状況が続いているという。
同社担当者は「発表直後に比べると落ち着いてきているが、備蓄品の売れ行きは普段より良く、関心の高さを感じている」と話した。
茅ヶ崎市防災対策課では「大規模地震が発生するリスクがなくなったわけではないので、市民の皆さんは備蓄品の定期的な確認など、日頃の備えについて改めて考えてもらいたい」と話した。
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