茅ヶ崎市立梅田中学校吹奏楽部は、8月9日と10日に横浜市で行われた「神奈川県吹奏楽コンクール」中学A部門で金賞を受賞し、9月8日(日)に栃木県宇都宮市で開催される「東関東吹奏楽コンクール」への出場を決めた。同大会への出場は創部以来初めて。
不安からのスタート
昨年は湘南大会で敗退。さらに4月から顧問も変わり「不安や心配が大きかった」と部長の久保田わかなさんと副部長の遠藤煌さんは振り返る。一方、新たに同校に赴任して顧問となった渡瀨崇行教諭は「自分たちでやりぬく力がある子どもたちばかり。絶対に伸びると確信していた」。
渡瀨教諭は生徒と対話を重ねながら「子どもたちの『やりたい』を実現することに力をいれ、意欲を引き出していった」という。
難曲に挑戦
大編成のA部門は50人近くの人数で出場する団体もあるが、同部は全部員で34人。他校に人数で劣る部分があるからこそ、今年のスローガンに掲げる「一音で圧倒する演奏」にこだわる。
コンクールのために選んだのは、課題曲が『勇気の旗を掲げて』、自由曲は『ゾウの足』。同部の特徴であるパワフルさを生かせる課題曲に対し、自由曲はチェルノブイリ原発事故をテーマに、足を踏み鳴らして音を奏でるフットスタンプで爆発音を表現したり、複雑な和音で不穏な空気を表現するなど、難易度の高い曲。時には外部講師も招いて、一人一人の技術を高めてきた。
昨年敗退した湘南吹奏楽コンクール(7月26日、茅ヶ崎市民文化会館)では見事に金賞を受賞。県大会でも勢いそのままに堂々とした演奏を披露した。金賞と東関東大会への出場が決まった瞬間は、涙を流す生徒もいたという。
東関東へ練習に熱
今は目前に迫った東関東大会に向けて熱のこもった練習が続く。久保田さんは「誰一人欠けずにみんなで合奏を作り上げたい」と話し、遠藤さんは「正直ここまで来られるとは思っていなかった。感謝の気持ちを忘れずに、全国も目指せたら」と笑顔を見せた。
渡瀨教諭は「結果を聞いた地域の人から応援の声をいただいたり、遠征の費用を支援していただいている。支えてくれる人たちのためにも今までの成果を発揮できたら」と意気込んだ。
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