茅ヶ崎市は今年度中に、市立中学校全13校の体育館や特別教室にエアコンを設置することを決めた。熱中症を予防し生徒にとって学びやすい環境を整えるとともに、災害時の避難所機能の強化も狙う。市では「かつてない規模の事業となるが、さまざまな意味で待ったなしの状況と判断した」とする。
茅ヶ崎市は2018年度に市立中学校全校の普通教室(小学校は翌19年度)にエアコンを設置している。ただ、体育館や特別教室(理科室や美術室、相談室など)への導入は遅れていた。
しかし、温暖化が進んだことで熱中症への不安が保護者や地域住民からも聞かれるようになっていたという。
また、大規模災害が頻発するなか、内閣府が昨年7月に「避難所に指定されている施設に空調設備の設置」を呼びかけるなど、災害時に避難所として使用される体育館などの熱中症対策も喫緊の課題となっていた。
こうした状況を受けて市は今年度、全市立中学校の体育館、特別教室へのエアコン設置を決定し、当初予算に関連予算を計上した。
同様の事業の場合、数校ずつ数年に分けて行うことも多いが、13校同時に設置するため、事業の総額は約27億5000万円に上る。財源として国の緊急防災・減災事業債を活用することで、市の実質的な負担は3割程度で済むという。
工事は夏休みなどを中心に始まっており、来年3月末までには終了する予定。市教育施設課では「卒業式や入学式には影響がないようにしたい」とする。また、来年度は小学校全校の体育館などにもエアコンを導入する予定で準備を進めている。同課担当者は「学校は学ぶだけの用途ではなくなっている。地域住民の安心・安全のためにも速やかに進めていきたい」としている。
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