茅ヶ崎市本村の居村B遺跡で9月28日(土)、「現地説明会」が開催される。第10次調査の成果や出土品について同市の職員らが解説するもので、関係者は「貴重な文化財を間近で見られる機会です」と来場を呼びかける。
一里塚北通り(国道1号から一里塚交差点を北側に入る市道)のホームセンター「島忠」近くにある同遺跡。約1200年前の平安時代から近年にいたるまで、断続的に水田だったことが判明している県内でも珍しい「水田の遺跡」だ。説明会では7月から始まった第10次調査の成果を公開する。
同市社会教育課の担当者は「今回の調査では平安時代の水田が見つかりました。長方形の整然とした現代の水田とは異なり、畦畔が地形に沿ってまがり、地形の起伏を活かしたつくりになっていること、田んぼ一枚の大きさも現代の田んぼより小さいのが特徴で、説明会でも平安時代の水田跡をご覧いただけます」と話す。
木製品や陶器が出土
また同遺跡は、1980年代まで水田だったため地下水が豊富で、本来であれば分解されてなくなってしまう木の道具(木製品)が出土している。曲物と呼ばれる木の桶の底板には、焼印や焼け火箸のようなもので付けられた印影があり「その意味が注目されます」という。
また、当時は高級品だった釉薬がかかった陶器(施釉陶器)も出土しており、今回の調査では、香炉のような器につけられた獣脚(獣の足を模した器の脚部)の破片が見つかった。担当者は「ネコ科の動物の5本指を表現したものと考えられます」とする。
説明会は午前10時から午後3時まで(午前の部が10時30分から11時30分、午後の部は1時30分から2時30分)。小雨決行、荒天の場合は中止。事前申し込みは不要。駐車場、駐輪場はないため公共交通機関等での来場を呼び掛けている。当日の問い合わせは現場調査事務所【電話】0467・55・5537へ。
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