アートシーで茅ヶ崎の海をテーマにしたガラス展を開催する 大谷 佳子さん 寒川町在住 51歳
ガラス作品に思い込める
○…ガラス作家としてランプシェードやジュエリー、花器など、柔らかな手触りと繊細な模様が特徴の作品を発表しつづけてきた。10月4日から13日まで、茅ヶ崎市東海岸北のギャラリー「アートシー」で作品展を開催する。結婚してからの19年間を茅ヶ崎で過ごし、常に生活の近くにあった「海」がテーマ。「茅ヶ崎の海で過ごした思い出や出会いへの感謝を作品に込めた」と話す。
○…寒川生まれ。幼少期、自宅に使われていた型板ガラス(片側に凹凸模様があり、視線を遮るようになっているガラス)が好きだったという。「ガラス越しに見ると、外の景色が全く違って見えた。それがすごく面白いと思って」。女子美術大学に進学し工芸科ガラスコースで学んだ後、同校で助手をしながら24歳で作家となる夢を叶えた。
○…作品の制作には、溶かしたガラスを鋳型に流し込んで成型する「ガラス鋳造技法」を用いる。「大変だし思った通りにいかないことも多い。けれど、一つ一つに変化があってその時にしかできない作品と出合える」とその魅力を語る。代表作の「空に花」シリーズは草花などをモチーフに、季節の移り変わりや自然の美しさを表現したもの。コロナ禍中は少しでも明るくなるようにと「ひまわり」の模様で希望を表現した。「生きているこの瞬間の尊さを表現できたら」
○…今年の3月に、生まれ育った寒川町に戻った。実家はシャクヤク農家で、現在も花畑が広がる。「目いっぱい緑や自然を感じている」と笑う。2人の子どもを育てる傍らで、作品作りや出身大学の非常勤講師など多忙な日々を送っている。「落ち着いたら旅行に行きたい。美術館やギャラリーを周りたい」と話した。
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