茅ヶ崎市菱沼海岸の通称「Tバー」付近に10月10日午前11時過ぎ、米軍のヘリコプターが着陸した。人的被害や周辺被害はなかったが、現場では規制線が張られ、周辺道路でも交通規制が行われるなど、騒然とした雰囲気となった。近くに住むという20歳の女性は「ニュースを見てすぐにきた。普段散歩によく来る場所なので驚いた」と話した。
午後3時、ヘリは再び離陸したものの、事態を受けて佐藤光市長は「誠に遺憾。地域住民には大きな不安を与えるもの。原因の解明と再発防止策をしっかりと求め、市民の皆様の安全を最優先に対応していく」とコメントした。
サーファーも驚き
この一部始終を、ある意外な「メディア」が伝えていたことが話題を呼んでいる。
海専門の気象情報を配信する気象予報会社(株)サーフレジェンド(藤沢市)が提供する波情報アプリ「波伝説」だ。
アプリでは日本全国約80カ所のサーフィンスポットのリアルタイム映像を配信しており、Tバー東側の「パーク」と呼ばれるポイントに設置したライブカメラにヘリが着陸する様子が映っていた=写真。
同社ではプッシュ通知でその模様を会員に知らせた。長年同社の波情報を利用しているというサーファーの男性は「通知を見てライブカメラを確認したら、波情報でなく事件の現場だった」と驚きを語る。
担当者によると、アプリ自体は有料会員限定のサービスのため、アクセスの急増といったトラブルはなかったという。「これまで他のポイントで花火大会の様子や、沿岸に近づいたイルカやスナメリが映りこむことがあったが、カメラの目の前でこうした事態が起こったことは驚いた」とする。取材に対し、「当社としては引き続き海での安全安心を提供していきたい」と回答した。
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