2024年度神奈川県乳牛共進会が10月27日、県家畜集合センター(綾瀬市)で開催され、吉田牧場(茅ヶ崎市堤)の乳牛がグランドチャンピオンに輝いた。同牧場は県内で唯一となる4度目の受賞となった。
乳牛共進会は、乳牛の骨格や体つき、乳器の発達などを競うもの。健康で発達の優れた乳牛は、長期間にわたって高い乳量を生産できることから、酪農家の経営の上でも重要な指標となる。
今回は県内の牧場から51頭が出場。年齢や出産の有無など第1部から10部まで10部門で審査が行われ、吉田牧場のGFFゴールドMオーサムマックチーが経産の部の最高位となるグランドチャンピオンに選ばれた。
家族ぐるみで経営
1950年に創業し、現社長の吉田雅章さん(44)で3代目となる同牧場。2012年と16年、17年にもグランドチャンピオンの乳牛を輩出しており、高い飼養技術で知られる。
ただ近年は、円安による飼料の価格高騰に苦しめられているほか、今年は猛暑の影響が大きかったという。暑さで流産や早産する牛もいるなか、グランドチャンピオンに輝いた「マックチー」も7月に出産した後は体力が回復せず、乳腺炎にもかかるなど状態が上向かなかった。雅章さんは「(10月3日に開催された)市の共進会にも出せないのではと心配した」という。
そこで支えになったのがともに飼育に取り組む家族の力。「牛たちは我が子同然。ちゃんとエサを食べているか、病気はしていないか、常に気を配っている」という母・恵子さん(67)らの献身的なサポートもあり徐々に体力を回復。県の共進会には「年齢に見合った身体と乳房を作ることができた。会場ではひと目でチャンピオンがとれると確信しました」(雅章さん)と自信をもって送り出した。
これで県内唯一となる4度目のグランドチャンピオン受賞。雅章さんは「前回叶わなかった3連覇に挑むためのスタートラインに立てた。茅ヶ崎の畜産はまだまだ知られていない。良い成績を残してもっとアピールしていきたい」と話した。
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