文部科学省より生涯スポーツ功労者として表彰された 稲岡 輝雄さん 円蔵在住 67歳
スポーツで地元に輪を
○…「まさかと思い、びっくりしました。皆さんのおかげです」。茅ヶ崎市体育協会の会長を12年務め、先ごろ生涯スポーツ功労者として表彰された。市体協で同賞を文部科学省から個人受賞するのは今回が初。31団体を束ねる立場だが奢ることなく謙虚に、そして重みのある声で感想を語った。
○…生まれも育ちも円蔵。根っからの茅ヶ崎っ子だ。小学校の先生の活躍で興味を持ったバレーボールを鶴嶺中学で始めた。部のキャプテンとなり、3年の時、県大会初優勝を成し遂げた。様々な有力高校から声がかかったが「どうせやるなら日本一」と志は高く、名門・(現)藤嶺学園藤沢高校へ。在学中に国体準優勝を果たすが、「1番じゃないと最下位と同じなんです」と当時のプレッシャーを打ち明けた。東京五輪の練習合宿にも参加し「少しでもバレーのために背を伸ばしたい思いで、足を引っ張る用具を使いながら寝ました」。卒業後は実業団に所属し、7年間選手の第一線で活躍。その後は監督として指導者側に立った。
○…転機となったのは、農業を営む父から、土地の活用方法をゆだねられたこと。長男として「お前に任せる」と託され、取得していた宅建資格を活用。監督3年目で退職し、資産運用を行った。27歳で経験ゼロからの出発だったが、現役時代に培った強靭な忍耐力で経営を学び、不動産業等の会社を設立。その傍ら、地元でチームを結成し、精力的な活動を行い続けた。
○…「スポーツを通じて茅ヶ崎を明るく元気にしたい。体が健康になると、心も豊かになる。豊かになれば、人間関係も社会も良くなる」と抱負を語る。自身も毎朝30分のウォーキングで体調管理し、足腰はしっかりと鍛えられている。その一方、家庭では4人の孫をもつきさくなおじいさんで、笑顔がとても愛くるしい。84年の伝統ある協会を背負う会長も、孫を語る時には目じりを下げ、柔和な表情を出していた。
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