茅ヶ崎市下寺尾に所在する「下寺尾官衙遺跡群」が11月21日、国の文化審議会により文部科学大臣に対し新たな史跡指定への答申が出された。
これにより同遺跡群は2014年度内に国指定文化財に登録される。
同遺跡群は、小出川を望む標高約13mの相模原台地頂部に位置する相模国高座郡衙と考えられる下寺尾官衙遺跡(西方遺跡)と、台地の南裾に位置する下寺尾の七堂伽藍跡からなる。
遺跡の西側では8世紀後半から9世紀前半にかけての船着き場と祭祀場が検出され、寺跡の南東でも祭祀場が検出されているなど、高座郡衙に関連する施設が相模原台地を中心とする比較的狭い範囲に集中していることが確認されている。 官衙遺跡の全体像が把握できるとともに、その成立から廃絶にいたるまでの過程が確認できる稀有な遺跡であり、地方官衙構造や立地を知るうえで重要であることが評価された。
官衙は現在の官庁で郡衙は市役所にあたり、古代律令制の行政に関する施設の総称として使われる。
同遺跡群は2002年度に県立茅ヶ崎北陵高校校舎の建て替えに伴う調査により存在が明らかになった。以来茅ヶ崎市や市議会をはじめ教育委員会、各研究団体が県や国に意見書を提出。県は遺跡の重要性を評価し校舎建て替え計画の見直しを決断した。現在遺跡は同校がグラウンドとして利用するにとどまり、校舎は別の場所に仮校舎を設けている。市社会教育課は「まずは保存が第一。今後は多方面から意見を聞き、公開方法や利活用などを考えていきたい」と話した。
藤間家住宅が有形文化財に
また同日審議会は、茅ヶ崎市柳島の「藤間家住宅主屋」を国の登録有形文化財に登録するための答申も文部科学大臣に行った。
藤間家は江戸中期から名主を務め、廻船業も手掛けた豪農。1932(昭和7年)に建築された主屋は、洋間を玄関南脇に配置するが、北脇の和室などを下見板張りの洋風で統一し、そのほかを簓子下見板張りにするなど和洋の意匠を対比的に採用した近代住宅として評価を得た。問い合わせは市社会教育課【電話】0467・82・1111へ。
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