茅ヶ崎出身のアーティスト加山雄三さんが来年に活動60周年を迎えることを受け、湘南の音楽サークル「湘南ロックンロールセンターAGAIN(SRCA)」が進めている企画の一環で、メンバーの国木田甚一(本名・萩谷翔太)さん(24)が7月13日(土)、えぼし岩を目指し加山さんを名付け親とする自作のカヌーで出港する。
SRCAは、茅ヶ崎に関わる音楽を研究し演奏する団体で、これまでも茅ヶ崎にまつわる楽曲をテーマとしたイベントの主催などを行ってきた。今回の試みは、加山さんが中学生の時に自作の船でえぼし岩まで遊びに行っていたエピソードがもとになっている。今年、加山さんがコンサートツアー再開と合わせ「海 その愛基金」を設立した際に、海洋汚染と若者の海離れを危惧するコメントを寄せていたことが企画の発端となった。
カリスマ性に衝撃
故郷・福島県と比較し、茅ヶ崎は「加山さんの歌のようにおおらかでロマンを感じる海」と説明する国木田さん。大好きな祖母の影響で演歌に親しみ、美空ひばりの歌が十八番だったため、幼少期は「ひばりくん」のあだ名が付いた。成長後もいわゆる「懐メロ」を特に好み、高校で組んだバンドでは石原裕次郎に憧れドラムを担当した。
高校1年の冬、動画配信サイトで偶然『海 その愛』を歌唱する加山さんの姿を見て、魂を揺さぶられるような衝撃を受けた。「歌唱力は言わずもがな、立ち居振る舞いなどのスタイル、名の通りの『若大将』のカリスマ性は唯一無二」と興奮した面持ちで振り返る。
震災後も歌を支えに
衝撃から数カ月、東日本大震災が発生。避難先でも加山さんの作品が心の支えとなった。「この先何があるかわからない。やりたいことをやろう」と、単身茅ヶ崎へ。進学した文教大学では、加山さんをはじめとする湘南サウンドの歴史について研究し、卒業論文として提出した。現在は山野楽器辻堂店で働きながら、音楽活動も続けている。
今回の企画まで、大工仕事や乗船は未経験。専門書を集め、周囲のサポートを受けながら試行錯誤で作業している。6月12日に加山さんが出演するラジオ番組に、船を作っている旨を投書したところ採用され、船づくりのコツやアドバイスに加え、加山さんが自身の船に付けていた「ブレイブマン」「ローンスター」の名を譲り受ける栄誉を得た。「名に恥じない出港がしたい」と国木田さん。「加山さんのことをもっと知りたい。同じ景色を見てみたいんです」と海を見つめた。
出港は7月13日(土)、サザンビーチちがさきで行われる。時間は、天候に合わせ、午後を予定している。問い合わせはSRCA【携帯電話】090・8259・5516へ。
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