全国で107万人の推定患者がいると言われる「アルコール依存症」。酒を飲む人なら性別問わず誰でもり患する可能性のある病気で、個人の力だけでの完治は難しいとされている。同依存症に悩む人たちで組織された自助組織「茅ヶ崎断酒新生会」の例会に出席し、アルコール依存症を克服し、本人・家族ともに新しい人生を明るく生きる人々を取材した。
「断酒会」とは、アルコールの過剰摂取で体を壊したり、事故や事件などを起こしてしまった本人やその家族が入会している自助組織で、全国の会員数は約6000人と言われている。「断酒例会」と呼ばれる集会に出席し、会員一人一人が酒害体験や自身の思いを素直に語り、聴き、互いを支えあいながら問題解決に努めていく。
神奈川県内には、12地域で断酒会が組織されており、その会員数は約300人。茅ヶ崎・寒川地域を中心に活動する「茅ヶ崎断酒新生会」は1980年に発足し、現在は13人(男性10人・女性3人)が所属している。
力強く生きていくという自覚と自信が湧いてくる
茅ヶ崎断酒新生会の会長を務める宮坂久喜さん(70・菱沼在住)は、サラリーマン時代からアルコール依存症治療の専門病院に通い、治療を続けてきた。病院での治療終了後からが「本番」と言い、過去の荒んだ生活に逆戻りしないため、約10年前に断酒会に入会。そこから月に2〜3回例会に出席してきた。治療を始めてから今日まで、酒は一滴も口にしていない。
茅ヶ崎市保健所で9月26日に行われた例会は、他地域からのゲストスピーカーを数人迎え、25人で行われた。「断酒の誓」を全員で唱えた後、一人一人体験談を語った。
23年前から妻とともに参加している男性は、「飲みまくって、飲みまくって、飲めなくなって。それでもふらふらになりながら酒を探していた」と過去を語った。55年の結婚生活の半分は酒で妻を泣かせてきたといい、「死んでくれたほうがよかった」と言われたとも。断酒し、今でこそ笑い話にできるのは「断酒会のおかげ」と笑顔を見せた。
茅ヶ崎断酒新生会は、中央公園(茅ヶ崎2の3の1)で11月3日(日)に開催される「第36回市民ふれあいまつり」に初めてブースを構える。宮坂会長は、悩んでいたら相談してほしい。秘密は守ります」と話した。
(問)宮坂会長【携帯電話】080・5082・6673
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