新聞紙を使った作品づくりに励む 小澤 榮一さん 香川在住 68歳
「新聞は生活必需品」
○…「はじめまして」と差し出す名刺も、新聞紙で作った。新聞を名刺サイズに切り、2枚をのりで貼り合わせて強度を保つ。表面には広告の無地部分を選び、そこに名前や電話番号、メールアドレスなどを記載したスタンプを押せば、自身を存分に紹介する特製名刺となる。ほかにも、バッグやごみ箱、帽子など新聞紙とのりでバラエティに富んだ作品を生む。
○…元朝日新聞社社員。1970年に入社し、技術開発本部へ。コンピューターを通じて紙面を製作する現在の礎を築き、1980年に社内の紙面づくりの全面コンピューター化を実現させた。時代の変化に立ち会い、「あの頃はおもしろかったなぁ」と懐古する。その後も、新聞づくりのシステム整備や品質向上に奔走した。
○…市内赤羽根に生まれ、子どもの頃からものづくりが好きだった。小学校高学年の時には、自宅にあったテレビのダイヤル式チャンネルが壊れたため、木片で作った取っ手を付けて再びチャンネルが回るように。母親が喜んでくれたことを今でも覚えている。新聞紙によるものづくりに目覚めたのは、単身赴任した52歳。笑って振り返る。「新居にごみ箱を用意していなくて、100円で買うよりも作れば安いと思ったんです」。身近な新聞に手を伸ばし、何枚も貼り合わせて強度を高め、処女作が完成した。「同僚たちの感想は『汚い』でしたけど」。
○…新聞アートにのめりこみ、2017年には「しまんと新聞ばっぐコンクール」の大賞受賞。新聞とはこれからも長い付き合いになる。「生活必需品です。ニュースが編集されて届き、そこにある事実は生きるための判断基準になる」。さらにこう続ける。「私にとっては安定した素材にもなる」と。
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