聴く人を「旅」へと誘うような楽曲を紡ぎ出すシンガー・ソングライターCaravan(46・市内在住)が、新アルバム『Bittersweet Days』をリリースした。コロナ禍の中、「大切な人たちの顔や名前を思い浮かべながら書き綴った手紙のような、日記のような全11曲」を収録。会いたくても会いに行けない人たちへのメッセージと、闇を照らす一筋の光のような「希望」を託した、2020年を象徴する1枚に仕上がっている。
コロナ禍や、世の中の理不尽さ、行き場のない悲しみや怒り−。
闇に呑まれないように、がむしゃらに創作に打ち込んだ1年だった。一方で、目の前にある掛け替えのないものや、遠くにいる大切な人たちを改めて愛おしく感じた日々でもあった。
「今でも世界中のみんなが必死な思いをしているし、自分自身もライブ活動が思うようにできなくて辛く感じることもある。でも、10年、20年後に2020年を振り返った時、ほろ苦くて甘くて、胸がツンとなるような感覚で思い出せる日々になるんじゃないかな」。タイトルにはそんな思いを込めた。
音楽は希望であって欲しいし、希望でなければならないと、力強く語るCaravan。「今は光が見えにくい時代だけれど、アルバムを聴いている47分間だけは、光の方へ誘えたら。自分も歌いながら、そっちに行けたらいいなと思って作ったアルバムです」
茅ヶ崎の情景を歌に
茅ヶ崎に住んで15年以上。これまで自分の住む街について歌ったことは無かったが、今回初めて茅ヶ崎や辻堂のリアルな情景を収録曲『Hometown』に投影した。
「改めて自分の街を見直す機会になって、子どもたちと地元の公園や海辺で過ごす時間が増えたことで自然と生まれた歌です。歌詞に具体的な名前が出ると、同じ景色が見える人もいるだろうし、知らない人もそれぞれの街と照らし合わせて聴いてもらえたら」。写真やPVも自身で手掛け、湘南の海辺に流れる穏やかな空気感が、楽曲に豊かさを生んでいる。
市内北部で米作りも
今年、茅ヶ崎北部の田んぼで、オーガニックの米作りにも挑戦した。「テレビは不安になるニュースばかりだし、人類はコロナで大変だけれど、畑はとても健やか。虫もカエルも元気だし、稲も行く度に大きく生長していて、地球は全然びくともしていなくて、希望や安心感があった」と頬をゆるめる。
初めての農作業はお米以外の収穫も。妻と子どもたちと自然とたわむれて過ごす、ふくよかな時間によって心のゆとりが生まれ、感性が研ぎ澄まされ、結果、渾身のアルバムへと昇華された。
◇ ◇ ◇ ◇
12月には数カ月ぶりとなるライブを経験。「1曲終わって拍手をもらえることがすごく嬉しくて、今までなんて幸せだったんだろうと再確認しました。ライブに来てくれている人たちに対して、今まで以上に、1本1本の濃さや重みを噛み締めながらしっかりやっていきたい」。初心に立ち返り、心と心が通い合うようなやり方で、地道に歌を届けていく。
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