第52回全国中学校柔道大会が8月22日から25日まで群馬県前橋市のALSOKぐんまアリーナで開催され、茅ヶ崎市立第一中学校3年生の平野匠啓さんが男子90kg超級で、小出穂香さんが女子70kg超級でそれぞれ優勝した。同じ中学校、同じ柔道場で研鑽を積む2人が、世代の最重量級を制するという快挙を成し遂げた。
「力出し切れた」平野匠啓さん
8月初旬の関東中学校柔道大会も制し「優勝を意識して臨んだ」という平野さん。最大の山場は準決勝の井出英閏さん(愛知・大成中)との一戦だった。
互いに攻め手を欠くなか、先に2つ目の「指導」が与えられる苦しい展開。しかしそこで「スイッチが入った」と攻めに転じると、圧力に屈した相手の反則負けで決勝に進出した。
決勝では瀬川賢豪さん(奈良・天理中)と対戦。相手が得意の内股を警戒するなか「狙っていた」という裏投げを決め、全試合1本勝ちでの優勝を決めた。
兄と姉の影響から元世界王者で五輪メダリストの小川直也さんが運営する「小川道場」(東海岸北)に5歳から通い始めた平野さん。「練習すればするほど、強くなれる」と、すぐに柔道にのめりこんだ。
将来の目標は「小川先生のような世界で戦える柔道家」と力強い。「そのためには心技体全てが足りない。高校に進学しても、もっともっと努力していきたい」
「恩返しできた」小出穂香さん
平野さん同様、関東大会で優勝し周囲からもマークされるなか、順調に勝ち進んだ小出さん。
苦しかったのは山口千弘さん(福岡・敬愛中)と対戦した準決勝。相手が技を警戒するなか終了間際に支え釣り込み腰で技ありを奪い、そのまま優勢勝ち。高橋梨子さん(栃木・豊郷中)との決勝でも合わせ技一本で堂々の優勝を決めた。
「両親や先生方など、いつも支えてくれる人に恩返しできたと思う」と笑顔を見せる。
「もともとは剣道をやっていたけれど、投げる姿が楽しそうだった」と、小川道場に通うようになったのは小学5年の時。「トップ選手を目指すには決して早くない」が、周囲が「これと決めたら一つのことに没頭するタイプ」と評するように、ひたむきに練習に取り組むことで才能が開花した。
高校に進学しても柔道を続ける予定で「個人戦だけでなく、団体戦でも活躍できる選手になりたい」と話した。
市長に優勝報告
9月8日には市役所を訪れて佐藤光市長に優勝を報告した2人。
同行した小川さんは「コロナ禍で春の新人戦もなくなり、大会中も消毒のために試合間隔がいつも以上に長いなど、難しい大会だったと思うが、よく力を出し切ってくれた。2人同時に最重量級を制したのは本当にすごいこと」と称え、佐藤市長は「素晴らしい結果で同じ世代の人たちにとっても励みになると思う」と話した。
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