茅ヶ崎市は中学校給食の実施に向けた1週間のモデル事業を10月24日から円蔵中学校で開始した。11月14日からは萩園中学校でも実施する。市教育委員会の担当者は「生徒の反応を見ながら、実際の現場でどのような課題が出てくるのか見ていきたい」としている。
市内の公立中学校13校では現在、牛乳のみが配られ、生徒たちは主に弁当を持参している。
市は給食の実施に向けた検討委員会を2019年2月に設置。児童・生徒、保護者へのアンケートなどを経て、20年3月に「実施方式のあり方(素案)」をまとめた。そして財政負担が比較的少なく一斉に開始しやすいこと、アレルギー等の配慮がしやすいことなどの理由で、民間事業者が調理した給食か、家庭から弁当等を持参するかを選ぶ「選択制デリバリー方式」が適した実施方式と決定した。
生徒考案の献立も
同事業では円蔵中340人、萩園中410人の全生徒を対象に配食。1食当たりの費用(330円)は市が負担する。
24日の円蔵中の献立は肉じゃが、海藻サラダ、さわらのたっぷり野菜あんかけ、ご飯、大根と油揚げのみそ汁、牛乳。文部科学省が定める中学生の1食の摂取カロリー(850kcal)を基に市の栄養士が考えた。
また、円蔵中の2年生と萩園中の3年生を対象に今夏に実施した「献立コンテスト」で選ばれたメニューも採用されるという。
給食を食べた1年生のクラスでは「味は丁度良かった。米と味噌汁は温かくて美味しかったけれど、おかずは冷たかった」「ご飯が足りなく感じた」や「栄養バランスが良かった」などの感想が上がった。
アレルギーを持つ生徒には事前にメニューに関するチェック表を配るなどしたが、原因となる食べ物を除く「除去食」の提供はなかった。市教委では「今後検討したい」とする。
実際に給食を導入するためには、事業者が調理、配送を行う工場を建設するための用地選定と建設工事などが必要で、最低でも4年かかると見込まれる。
市教委の担当者は「今回の事業を通して生徒や保護者の方からの声を伺い、よりよい形にしていきたい」と話した。
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