日本伝統工芸の一つである、飴細工を使った人形劇による映画「さんちゃんの大冒険」が間もなく完成する。監督・制作総指揮は茅ヶ崎在住の写真家・小林鉄斎さんが務めたほか、地域住民もさまざまな形で制作に参加している「茅ヶ崎発」の作品。小林さんは市内での試写会も開催したい考えだ。
映画はエジプト考古学者・吉村作治さんの少年時代を描いたもの。もともと吉村さんの自叙伝を映画化する話が進んでおり、時代背景などに合った新たな表現として持ち上がったのが、飴細工で作ったキャラクターによる人形劇を映画にする手法だったという。
プロデューサーが知人で、もともと演出面でのアドバイスを行っていた小林さんが周囲からの要請で監督を引き受けることに。「自伝で映画を作ることが吉村さんの夢だとは知っていた。エジプト考古学という、それまでなかった学問をつくり上げた吉村さんの人生の面白さ、そして夢と好奇心を持つことの大切さを伝えたかった」と小林さんは話す。
制作に当たっては人形やセットのリアルさ、原作の再現性を求めた。
美術造作・キャラクターデザインを務めたのは、同じく茅ヶ崎在住の岡田嘉則さん。絵コンテから精緻なセットづくりまでを手掛けた。
また登場する50体以上の人形は、すべて飴細工アーティストが作り上げたもの。人形の演技は地元団体「chigasaki kodomo cinema」の呼び掛けで集まった有志の市民が担当した。
地元小学生も出演するなど多くの市民が制作に携わっており、小林さんは「みんな手弁当で参加してくれた。とてもありがたかった」と感謝の気持ちを込める。
「茅ヶ崎から発信したい」
映画は間もなく完成予定。試作版を鑑賞した吉村さんからは好評を得ているという。小林さんは「茅ヶ崎は多様な文化を発信したり、育てたりすることができる場所。飴細工人形劇を映画にするという世界初の試みに取り組んだこと、そして挑戦することの意義を茅ヶ崎から発信していきたい」と話す。
今後は市内での試写に加え、映画祭への出品も検討している。
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