在日ウクライナ大使館特命全権大使のセルギー・コルスンスキー氏が5日、茅ヶ崎中央ロータリークラブ(以下RC)をはじめ、近隣のRCによるインターミーティングに出席した。コルスンスキー氏は特別講演を行い、茅ヶ崎市内の避難民に対する支援に感謝を示すとともに、ロシア侵攻によって引き起こされた惨状についても説明した。
コルスンスキー氏はウクライナとロシアの歴史上の歩みとして、ウクライナ領の一部であるクリミア半島を奪われた2014年の侵攻から、攻撃を受け続けてきた経緯を紹介。ウクライナも軍備を増強し、防衛に努めてきたことを明かした。「民間人への戦争犯罪は悲しいものだった。停戦交渉に意味がなく、戦うしかないことがわかった」。ロシアはウクライナの社会インフラに攻撃を続け、国外に逃れた避難者は600万人を超えたといい、そのうちの2300人が来日しているとみられる。
「平和を欲している」
今後、ウクライナが戦争に勝利したとしても、「簡単には帰還できない。家を破壊された人が多いからだ。東部では完全に破壊された町が1700を超える」とも。「ウクライナは平和を欲している。戦争はしたくないのだ」と強調した。
避難民を受け入れた茅ヶ崎にも感謝の気持ちを表すとともに、最後には「ウクライナのすべての人が日本、自治体の皆さんの支援、市民の温かさに感謝している」と一礼すると、会場からは大きな拍手が送られた。
避難者と情報交換
コルスンスキー氏は同席した二等書記官のユリヤ・ザモルスカ氏とともに避難者とも面会。茅ヶ崎での生活などについて情報交換した。
とりわけウクライナからの出国について関心を持ち、昨年5月に茅ヶ崎に移住し市民となったオルハ・ティシェンコさんのようにポーランドを経由して日本に渡るケースが多かった一方で、ウクライナでは男性の出国が規制されているのを理由に、ロシア経由で出国するケースがあることもわかり、詳細な説明を求める場面もあった。
避難者に対し、コルスンスキー氏は「日本語を学んで頑張ってほしい」と励まし、「仕事で学んだことを将来ウクライナに戻ったときには人々に伝えてほしい」と期待を寄せた。
茅ヶ崎市を含む国際ロータリー第2780地区第4グループでは、3年ぶりにインターミーティングを開催。ロシアによるウクライナ侵攻から1年の節目を迎えるのを機に、これまで積極的に避難者を支援してきた茅ヶ崎中央RCが大使を招待した。
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