サッカーJ1湘南ベルマーレは5月17日、新たなスタジアム建設に関する計画書を平塚市に提出した。ただ、候補地の1つが市民に人気のある平塚市総合公園内であることや、建設費約142億円のうち70億円の負担を市に求める案となっていることなどから、平塚市は難色を示している。
ベルマーレが本拠地とするレモンガススタジアム平塚は、「観客席の3分の1以上を屋根で覆う」など、J1クラブライセンスの交付規則を満たしていない。
そのため湘南ベルマーレは昨年10月、平塚市総合公園内への新スタジアム建設を同市に提案。市は建ぺい率の基準を満たさないこと、現公園の一部を利用することになり市民理解を得るのが難しいこと、建設費といった具体的な内容が示されていないことなどから、新たな提案を求めていた。
今回の提案も再び総合公園内への建設を前提としており、民間が所有する周辺敷地約6万平方メートルを公園敷地に組み入れることができれば基準を満たすとしている。
総事業費は最低約142億円と試算。財源は市と民間が半分ずつ負担し、民間負担分は企業版ふるさと納税を中心にファンディングパートナーや募金などで集めるとする。
「新しい時代の公園に」
計画書によると、新スタジアム開業後15年間の平塚市の累計経済効果は約3800億円と試算。同期間内の税収は110億円超の増加を見込む。
サッカーの入場料収入は現在の4億円から倍の8億円と想定。クラブのオフィシャルクラブパートナーで、経営コンサルティングサービスや新規事業の開発・運営を行う(株)フィールドマネージメントが試算した。
同社は5月25日に報道陣向けの会見を開き、佐藤倫明社長は「音楽ライブなどでの使用も考えており、収益源は多岐にわたる。新しい時代の公園をつくりたい」とした。
「動向見守りたい」
平塚市の落合克宏市長は5月30日に開いた記者会見で「総合公園は市民に人気の場所であり、この案は受け入れられない」と話すなど、現状は課題も多い。
こうした動きは茅ヶ崎にも波及しそうだ。市内では2019年に、茅ヶ崎商工会議所の会員らが中心となって「湘南スタジアムを茅ヶ崎に誘致する会」などが活動をスタート。大阪・吹田市のサッカー専用スタジアムを視察したほか、署名活動を展開。約1万1000筆を集めるなど精力的に活動を進めた。
20年からのコロナで休止を余儀なくされていたが、今年に入って会議所内に「湘南スタジアム委員会」が発足。改めて活動を推進していく方針を固めた。同委員会の関係者は「サッカーだけでなく、スポーツ、文化、商業などの交流施設として、特に音楽のまち茅ヶ崎では、コンサートなどに活用が期待されるスタジアムが地元にあれば、街の魅力向上につながるので市民全体の機運を高めていく。現在のところは、平塚の動向を見守りながら、検討していきたい」と話した。
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