今年4月から幼児送迎用バスへの「置き去り防止安全装置」の設置が義務化された。茅ヶ崎市私立幼稚園協会(豊嶋ときわ会長)はこのほど、バスを運行している全園で設置の完了を確認した。同協会では「万一、バスから警報が鳴っている場合には、園にご一報いただければ」と呼び掛けている。
2022年9月に静岡県で、送迎用バスに置き去りにされた園児が死亡した事故などを受け、国は同年12月にガイドラインを策定。今年4月から幼児等の送迎バスにおける安全装置の装備が義務付けられた。同協会では加盟園に設置を呼び掛けたところ、8月に全車両への設置が完了した。
安全装置はエンジン停止直後から車内点検を促すアナウンスが流れ、点検後に車内後方にあるボタンを押すことで停止する仕組み。エンジン停止後から一定時間内にボタンが押されない場合は、車外に聞こえる音量で警報が鳴り、周囲へ車内に子どもが残されている可能性を知らせる。
各園では、点呼や車内確認などを行っているが、バスを園から離れた場所に駐車しているケースも多く、警報が鳴った際には、近隣住民から幼稚園に一報してもらうことも想定。同協会ではポスターで周知を進めているほか、市広報でも協力を呼び掛ける予定だ。
10月4日には中海岸の恵泉幼稚園で地域住民向けに安全装置作動時のデモンストレーションを実施。東海岸南一丁目自治会の丸山泰会長は「幼稚園は災害時の一時避難所でもあり、我々にとっても大切な場所なので、お互い様の気持ちで見守りに協力したい」と話す。
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