Vol.7 茅ヶ崎で暮らすウクライナ人 課題と希望
ロシア軍の侵攻によって避難を余儀なくされ、現在、茅ヶ崎市民として暮らしているウクライナ人たちの日常、また現状の課題、今後の展望について、関わる方々に伺います。
言語の習得と生活支援が必要市民通訳ボランティア 眞鍋 昂さん
ロシアのサンクトペテルブルグ大学、そしてウクライナのリビブ大学と合わせて1年半の留学経験がある眞鍋さん。堪能なロシア語、ウクライナ語を生かし、現在は認証業界の大手企業でコンサルタントとして海外での通訳を担うなど活躍している。
茅ヶ崎に移住して5年目を迎える中、市内在住のアメリカ人大学教授ダニエル・ドーランさんがウクライナ人避難民を受け入れたことを本紙の記事で見つけ、「何かお手伝いしたい」と連絡。避難民のオルハ・ティシェンコさん、バルバラ・コルニエバさんをサポートするようになった。
通訳の際は「普段の仕事などとは違った難しさを感じた」と眞鍋さん。言葉も文化も異なる異国で生活することになった2人のストレスは大きく、生活が乱れがちになることも。また感情や意思の表現も直接的なため、しばしば日本人ボランティアとの間で「行き違い」が生まれたという。「言っていることをそのまま全て伝えるのではなく、時には補足したり、ニュアンスを変えることもあった」と苦笑する。一方で「(ストレートな表現は)住居や生活支援など彼女たちに対するサポート体制が充実していたことによる、安心感の表れだったのでは」と思いやる。2人はその後、東京都内へと拠点を移したり、日本で知り合った男性と結婚するなど生活の変化があった。
「自立促したい」
茅ヶ崎には後に、ロシア語しか話せない2人のウクライナ人が避難して来たが、「言葉の壁」を感じている様子がうかがえ、改めてコミュニケーションの難しさを痛感したという。
それでもそのうちの1人、ジーマさんが茅ヶ崎で仕事を始め、将来的には定住を考えていることに希望を感じている。
今後も通訳としてサポートしていくつもりだが「ただ避難民として接するのではなく、自立を促すための支援に努めたい」と眞鍋さん。そのためにも、関わり方が過度にならないように注意を払っているという。
今後について「避難民を受け入れられたことは、茅ヶ崎が国際化する契機になったのでは。将来的な観光需要なども見越して、湘南地域で通訳のボランティアを受け付ける制度などを構築してもらえたら」と話した。
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