茅ヶ崎市は10月20日、国史跡の下寺尾官衙遺跡群と下寺尾西方遺跡の指定範囲が拡大されることになったと発表した。国の文化審議会の審議を受けたもの。市は今後、整備に必要な調査や研究を行いながら、史跡の保存と活用を進めていく。
下寺尾官衙遺跡群は、相模国高座郡家と推定され、7世紀末から8世紀中葉まで2期にわたって変還する郡庁や正倉があった。官衙とは古代律令制度における行政施設の総称で、南西部には寺が、西部に船着き場と祭祀場があり、郡家を構成する諸施設から成る官衙遺跡群の全体像とその変還が把握できる。「日本の歴史を知る上でも欠く事のできない重要な遺跡」との評価を得て、2015年に初めて史跡指定された。
下寺尾西方遺跡は、弥生時代中期の代表的な集落跡である深い濠を巡らせた環濠集落跡で、南関東最大級。出土遺物には土器のほか石器と鉄器があり、石器から鉄器へ移行した在り方を示している。南関東における中心的な集落の一つとして位置づけられており、「弥生時代中期社会の様子を知るうえで重要な遺跡」と評価されている。初の史跡指定は19年。
国の文化審議会で両遺跡について審議・議決され、同会は史跡の追加指定を文部科学大臣に答申。今後、文部科学大臣による官報告示を経て、国の史跡に追加指定される。既存の国指定地に近接していることから、高座郡家遺跡や環濠集落に関わる遺跡が存在する可能性が認められた。
市担当者は「地権者の同意を得ながら史跡指定地の公有化を進め、整備に必要な調査と研究を行い、史跡の保存・活用を進めていく」としている。
調査の発表展示
今回の決定を受け、茅ヶ崎市博物館で遺跡調査発表展示会が開催される。主に21年度に発掘調査した遺跡の資料を紹介するとともに、両遺跡に関する特集展示も行われる。11月3日(金・祝)から12月6日(水)までで月曜休館。午前9時から午後5時。入館無料。
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