中日ドラゴンズの山本昌投手(茅ヶ崎市出身・49歳)が、9月5日の阪神タイガース戦で今季初勝利を挙げ、浜崎真二(阪急)さんの持つ現役最年長勝利記録(48歳4カ月)を64年ぶりに更新した。
まさに快挙という言葉に尽きる試合運びだった。慣れ親しんだ本拠地・ナゴヤドームで今季初めて一軍のマウンドに上った山本投手。初回から度々ランナー背負うものの、ピンチでも動じることのない持ち前の打たせて取る投球を見せ、5回5安打無失点の好投。打線の援護もあり、勝利投手の権利を得てマウンドを下りた。その後は祈る思いで戦況を見つめると、小笠原道大選手、森野将彦選手のタイムリーヒットが飛び出すなど打線も奮起。もらったリードは祖父江、武藤、又吉、福谷の後輩4投手が無失点リレーで締め、64年ぶりに大記録が生まれた。
山本投手は「たくさんの人に支えられて、なんとか一発でクリアできたことが嬉しい。いつも応援してくれる地元の人に良い報告ができる」と喜びを噛み締めた。
苦しんで掴んだ今季初登板
現役31年目のシーズンは苦難の連続だった。2月の春季キャンプからファームでの生活が続き、大記録を待つファンの期待の裏で苦悩の日々が続いた。6月にはミニキャンプを張り、自身の投球を見つめ直し「調子は上向き」と前を向いたが、得意とする夏場になっても振るわず2軍での成績は1勝5敗。それでも8月最後の登板に全てを懸け、5回2失点にまとめると今季初の一軍昇格が言い渡された。苦しみを乗り越え、手にした初登板で掴んだ大記録に喜びもひとしおだが、これで終わりではない。自身にとってこの日が今季の幕開けでもあった。
「まだ投げるチャンスがある。先発ピッチャーとして1つでも多く勝てるように頑張るだけ」とすぐに次を見据えるところは、山本投手らしい決意の表れだ。この先も登板するごとに球史にその名が刻まれる。新たな伝説の誕生に向け大ベテラン左腕がスタートを切った。
市内からも喜びの声
勝利投手となったその瞬間、激励のメールを送った一人が山本投手の松林中学校時代の同級生、森岡正太さんだ。森岡さんは今年1月に山本投手をゲストに招いた特別講演会を行った茅ヶ崎YEG(商工会議所青年部)の当時の会長を務めていた。「翌日にお礼と”これからも応援をよろしく”って返信が届いたよ」と笑う。YEGは今後も山本投手と茅ヶ崎との橋渡し役を担いたいとしている。「同級生がプロのマウンドで今も堂々と勝負している姿は驚きでもあるし、感動しています。本人もまだ終わりじゃないと言っているので、これからも応援していきたい」と話す。
市長からのメッセージ
プロ野球史上最年長勝利ほか7つの記録更新という偉業を成し遂げられましたことは、茅ヶ崎市民にとっても大きな喜びであります。誠におめでとうございます。山本昌選手の全力で野球に打ち込まれる姿は、子どもたちはもとより、同世代の方をはじめ、多くの方々に夢と希望、さらには勇気を与え続けていただいております。これからもさらなる記録更新に向けて、ますますご活躍されることを期待しています。
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