寒河江市の俳句大会で「秀逸」を受賞した 栗原 雅子さん 宮山在住 68歳
楽しみながら、挑戦
○…「さくらんぼの都市さがえ全国俳句大会」で応募した作品が見事「秀逸」に輝いた。同賞は最高賞の「特選」に次ぐもので、表彰式で記念講演を行った選者の俳人・西村和子氏からも好評価を得たという。
○…受賞作品は『さくらんぼ 白寿の母の おちょぼ口』。介護施設にいる母を訪ねたときに詠んだものだ。「いままで楽しみながら俳句に親しんできただけなので、まさか受賞できるとは。すごく驚きました」と喜びを隠せない様子。受賞の連絡を受けてから、しばらくの間記念品と表彰状が届かず――「まさか私の聞き違い?」――心配して主催者に確認する一場面も。結果として、同封する作品集の製作が遅れていたことが原因で、本人がどれほど「意外」だったのかを窺えるエピソードとなった。
○…知人に誘われ俳句を始めたのは「もう覚えていないくらい昔の話」と笑う。寒川俳壇での15年間は「楽しめてはいたが、才能のなさを痛感した」と言い、退会後はメンバーの句を外から眺め「あ、あの方は病気をされていたのか」「お孫さんができたんだ」と情景を思い浮かべながら過ごしていたという。ところが昨年、町の広報紙で偶然みつけたのが同俳句大会の募集告知。久々の投句となったが、一緒に応募した先輩が入選し、作品の素晴らしさに刺激され、それが今年の入選につながったという。「何かあれば挑戦してみようという気持ちになった。賞が欲しいということではなく、楽しみながら」
○…学生時代からバレーボールなど体を動かすことが好きだった。最近では書道連盟の副会長を務め、琴の稽古も。「紙芝居パチパチ座」に所属し、年間70回もの活動を行う。紙芝居は個人でも活動中で、母親をモチーフとしたオリジナル作品を施設で演じることも。「今回の受賞を母が一番喜んでくれました。98歳の母が、表彰状を声を出して読んでくれました。私はそれが一番嬉しかった」