意見広告・議会報告
未来をつくる学校 未来につなぐ教育〜蘇る離島〜 県政報告㉒ 県政から寒川町につなぐ 神奈川県議会議員 山本 哲
神奈川県議会文教常任委員会では、9月3日から5日にかけて島根県は隠岐の島諸島他で現地調査を行いました。
隠岐島前教育魅力化プロジェクト
調査目的は【1】隠岐ユネスコ世界ジオパークを活用した取組みについて(隠岐の島町)【2】隠岐島前教育魅力化プロジェクトについて(海士町)【3】島まるごと図書館構想について(海士町)【4】鳥取県立境港総合技術高等学校について(鳥取県境港市)、になります。今回、「隠岐島前教育魅力化プロジェクト」(海士町)について、お伝えしてまいりたいと思います。
8年で生徒数倍増
今、少子化が急速に進み全国各地で学校の統廃合が進んでいます。そのようななか、離島で廃校の危機にあった島根県立隠岐島前高校が8年で全生徒数を2倍へと増加させました。
隠岐島前高校は日本海に浮かぶ隠岐の島諸島の「中ノ島」の海士町にあり、境港から船で3時間半、高速船でも2時間弱かかる場所です。海士町の人口は1970年にピークを迎え7000人に達するも、その後は減少し2010年には2400人を切るまでに。これまでの島前地域では、中学を卒業すると約半数の生徒が島を離れ本土の高校に進学。同時に少子化が進むことで生徒が減り教員の数も減っていったそうです。隠岐島前高校を失うことは、島の子ども達が中学卒業と同時に島を離れなくてはならなくなり、島から15歳から18歳の若者がいなくなることにつながります。
また、場合によっては子どもの進学にあわせて家族全員が島を離れてしまうことなども懸念され、島前3町村(西ノ島町・海士町・知夫村)にとって計り知れない損失になります。
離島の挑戦始まる
そこで、平成20年に海士町を中心とした島前3町村が協議し、「島前高校生徒の学力向上」と「島前地域全体の教育力向上」を目指した「隠岐島前教育魅力化プロジェクト」をスタートさせました。
同プロジェクトは主に、全国から入学者を募る島留学制度と島留学生を支援する島親制度や、「グローカル(*)人材の育成」といった島前高校と連携し共通した目標を掲げる公営塾「隠岐國学習センター」を設立させ、教育魅力化に向けた離島の挑戦が始まりました。
続きは次回号に続編として掲載させて頂きます。
(*)グローカルとは グローバルとローカルの造語。世界的な視野と地域からの視点で様々な問題を捉えようとする考え方
|
|
|
|
|
|