正月の風物詩となった寒川神社(寒川町宮山3916)の迎春ねぶたが12月20日(木)、神門に取り付けられ、点灯式が行われる。今回製作されたのは「天孫降臨(てんそんこうりん)」。
毎年干支をテーマに製作されてきた迎春ねぶたも、6年前に干支が一巡。2013年から古事記の編纂1300年にちなみ、テーマを古事記の「神話」へ変更した。
そして19回目を迎えた今回は記紀神話より「天孫降臨」の話をモチーフにしたものを製作した。
これによると、オオクニヌシの国譲りを受け、天照大御神は孫にあたるニニギノミコトに、三種の神器である「八咫鏡(やたのかがみ)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」を授け、豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに、日本)を高天原(たかまのはら)のように素晴らしい国にするため、天降るよう命じたという。早速ニニギノミコトは高天原の天津神を伴って天降ろうとされるが、そこには怪しい光を放つ猿田彦神(さるたひこのかみ)がおり、ニニギノミコトは先導されて、幾重にも重なった雲を押し分け、日向の高千穂の地に天降られたという。
この神話ではニニギノミコトは天照大御神よりいくつかのお言葉(神勅)を受け天降られたとされている。それは「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅」「宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅」「斎庭(ゆにわ)の稲穂の神勅」の3つで、3大神勅といわれている。このねぶたは、正に天照大御神により神勅を受けたニニギノミコトが天降ろうとしている瞬間だ。
ねぶた製作者で青森ねぶた師の北村蓮明氏は「歴代の天皇陛下におかれましては、日本を豊かにするため皇居内の神田にて田植えや稲刈りを御自ら行われるなど、天照大御神からの教えをお守りになり、さらにそれを広めるという使命を果たされ続けてこられました。御代替わりを5月に控え、11月には大嘗祭(天皇陛下即位後最初の新嘗祭)が斎行され、日本はまた一歩新たな歴史を歩み始めようとしています。そういった国家的な慶事を前に、改めて天皇陛下に感謝の誠を捧げる意味を込め製作しました」と話している。
元日0時本点灯
ねぶたは横幅9m、高さ2・6m、奥行1・7m。使用される電球は約300球、神門への取り付けが行われる20日には、午後4時頃から点灯式が行われ、ねぶた囃子が奉納される予定。20日は試験点灯となり、本点灯は2019年1月1日の午前0時から。正月三が日は夜通し、4日(金)からは日没から午後10時、2月3日(日)まで点灯される。
交通規制
また、12月31日(月)午後10時から19年1月3日(木)午後5時までは、寒川神社の周辺道路で交通規制が行われる=案内図。毎年、寒川神社には正月三が日だけで約30万人もの初詣客が訪れており、バスや電車などの公共交通機関の利用を呼びかけている。圏央道のさがみ縦貫道路線の交通量も増えたことから、かなりの人出が予想される。詳しくは町防災安全課【電話】0467・74・1111へ。
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