任期満了にともなう寒川町長選挙が9月1日に投開票され、自・公・立民など幅広く支援を集めた現職の木村俊雄氏(無所属・69歳)が3選を決めた。
木村氏は子育て環境の充実や町のプロモーション、産業振興による雇用確保など、これまでの政策の深化を掲げ、投票数の約7割を獲得して当選した。対抗候補の三堀清廣氏(無所属・67歳)は元町議。告示日が迫る8月上旬に名乗りを上げ、無投票の阻止や幼児教育補助、新幹線駅誘致にともなう県庁誘致といった政策を示し、約3割の票を獲得した。
新任期に重なる町政80周年総合計画策定
投票率は過去最低の26・75%で、うち倉見地域が18・79%にとどまった。
木村氏は万歳後、投票率について「町民の意識が変わってきているのか、投票所に足を運びづらいのか。町政を身近にしなければ。勝たせていただいたことを糧に各公約を実現したい」と語った。
本紙では投票所で有権者50人ほどから聞き取りしたが、2人の政策や論点については「よくわからない」という声が目立ち、むしろ一票を投じる責任や意義を感じて足を運んだという人が多かった。町政に関する問題や課題もにじみ出る。子育て世代からは保育園に入れず未入所に悩む声、全国学力調査の結果を心配する声もあった。年配層からは交通の不便さ、免許返納など老後の不安を打ち明ける人もいた。
寒川の人口は微増傾向にあり、圏央道寒川南IC周辺では区画整理や企業誘致が、北部に目を移せば進捗は少ないものの新幹線新駅誘致構想もある。木村町政2期目の終盤はアークリーグ大会を招致するなど、町イメージの大幅転換も図ってきた。3期目は町政80周年の節目や、「バラ色では成り立たない」という総合計画の策定も控える。選挙戦の第一声では課題解決に向けた意見交換の場づくりなど、対話の重要性を力説していた。
町議補選1人で選挙活動柳田氏が勝利
1議席の町議選補欠選挙は4人の激戦となり、会社員で新人の柳田遊氏(無所属・36歳)が当選。自民党推薦の新人・二ノ宮雅一氏(60)、幸福実現党の橋本修一氏(51歳)志柿俊朗氏(62歳)は及ばなかった。
柳田氏は前回の町議選に立候補した経験(当時は落選)があるものの、後援会といった組織はない。今回の結果については「『次世代にツケを残さない』という私の意見が民意の力になったと思います」。選挙活動はバイクで周り、帰宅時刻の駅頭に立っても関心を示してくれる人は少なかったという。選挙戦最終日は他陣営が名前を連呼する中、子どもの世話で自宅から離れられなかった。「子育てしながらの選挙は難しい」。政治参加の難しさを一人の議員としてどう変えるのか。新しいメンバーを加えた町議会はすでに開幕している。
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