寒川の347社が加盟する公益社団法人 藤沢法人会の会長を務める 川上 彰久さん 鵠沼藤が谷在住 69歳
ご縁と笑顔を大切に
○…寒川町の347社が加盟する藤沢法人会の新しい舵取り役に就任した。同会は中小企業や個人事業主への支援や社会貢献活動なども行う。新スローガンとして掲げたのは「ご縁も笑顔も藤沢法人会から」。「グイグイ引っ張るタイプではないが、みんなの意見をまとめて良い方向へ導きたい」と抱負を語った。
○…明治18年創業の印刷会社「さんこうどう」の4代目社長。藤沢で生まれ、幼い頃は活版印刷機の音を聞いて育った。大学卒業後は東京の印刷会社に就職。当時は夜遅くまでの残業が当たり前で辞める人も多かったが、3年間みっちり修業した。「それまでボーっとして遊び歩いてたから大変だった」と軽口をいいながらも、その3年間は無遅刻・無欠席で勤め上げた。
○…38歳で父から社長を引き継いだ。古かった工場に新しい印刷機を入れ、自ら操作を担当。ネクタイをしたまま工場で働いたことも。同時に街の実力者として多くの団体で役職を担ってきた。「今振り返ると、よくもったよ。お客さんや従業員、街の人々、多くのご縁に助けられた」。長年の経験や思い出がスローガンに込められている。
○…3年前から書道を習い始め「スキンケアしている」笑顔が眩しい。寒川には取引先もあり、よく買い物で「わいわい市」に足をのばす。誕生日の4月1日は寒川神社を参拝するのがきまりだ。「神社が好きで鳥居をくぐると心が落ち着くんです」。寒川駅前の整備や圏央道開通で町の変化を目の当たりにしてきた。だからこそ寒川の由緒や品格をスローガンにした「『高座』のこころ。」に感銘を受けている。「郡名は面倒という人もいるけど、古いものを見直すのもいい」。インクの香り漂うオフィスには、歴史を刻んだ活字と看板が大切に陳列されている。