意見広告・議会報告
県政報告㉜ 聴覚に障がいのある乳幼児や児童に手話習得の機会の確保を 神奈川県議会議員 山 本 哲
神奈川県では平成26年12月25日の議会で「神奈川県手話言語条例」が可決・成立しました。この条例は当時、鳥取県に次ぎ都道府県議会では二例目で、議員提案としては全国初でした。わが国では、手話が言語であることを障害者基本法において明らかにしたものの、現在も手話に対する理解が浸透しているとは言えない状況から、手話に対する県民の理解を深め、広く普及していくとともに、手話に関する教育及び学習の振興、その他手話の使用しやすい環境を整備し、全ての県民が互いの人格と個性を尊重し合い、意思疎通を行いながら共生していくことのできる地域社会を実現していくことを目的としています。
私が配属されています「ともに生きる社会かながわ推進特別委員会」で昨年、大阪府の乳幼児期手話言語獲得支援事業の調査を行い、聴覚障がい児の早期の手話獲得機会の重要性を確認いたしました。障害者基本法では手話も言語とされ、意思疎通のための手段について選択の機会が確保されることを規定しながらも、「手話は言語である」という認識は一般には十分に普及していないのが現状です。言語は本来、乳幼児期に自然習得されるものでありますが、聴覚に障がいのある乳幼児に早期に手話を取得させたいと思っても、家族等が手話を使えない場合には自然習得することができず、言語能力の発達に支障が生じる可能性があります。
現在、聴覚障がい者が乳幼児期から手話の自然習得の機会を確保できるようにすることを規定した法律がないこと。教育課程における特別支援学校の学習指導要領にも、視覚に障がいのある児童に対する点字の指導・習得に係る記載はありますが、聴覚に障がいのある児童に対する手話の指導・習得に係る記載がない等の議論の過程から、自民党県議団として「聴覚障がい者が、乳幼児期から、その保護者等とともに手話を習得することのできる機会が確保されるよう、法整備を行うこと」「特別支援学校の学習指導要領に、聴覚に障がいのある児童に対して手話を指導し、習熟させることを明記すること」を内容とする意見書(案)を提案し、特別委員会で賛同を得て、本会議で可決され、国会及び政府に、聴覚障がい者が手話で意思を通じ合える社会を実現するため強く求めたものであります。
共生社会の実現にむけて、誰もがその人らしく、暮らすことのできる地域社会の実現に向けて、これからも取り組んで参ります。
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