湘南にも忍者がいるらしい――読者からそんな情報を得て、2月下旬、寒川の中央公園で接触した。自転車で現れた忍者は、高井光太郎さん(57)。普段は古本のリユース業を営みながら、辻堂駅などでバイオリンを弾いている。路上パフォーマーとしては芸歴20年で、ジャグリングやけん玉などは慣れたもの。ある日、中学時代に本で見た忍者を思い出し、修行するようになった。「創意工夫しながら自分を高め、影にいて争いを防ぐ。忍者こそ今の世に求められているのでは」。高井さんは忍者人口が増えた後のビジネス展開なども見すえている。
茅ヶ崎の公園で岩を飛ぶ練習をしていて、3回ほどせせらぎに落ちた。見物人から「体はこう使え」とアドバイスされたり、子どもたちから「誰ですか」「偽者」といじられても、朗らかな笑顔を絶やさない。「子どもが真似して怪我しないように」普段は人知れず、忍んで特訓しているという。
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