真言宗輪光寺(茅ヶ崎市円蔵)の関光典(こうてん)住職(72)が、約5年の歳月をかけた漆塗りの不動明王座像が完成した。
関さんは幼少期から絵を描くことが好きで高校卒業後に金沢美術工芸大学で漆芸を専攻。技術に磨きをかけるため、卒業後は東京芸大大学院で学んだ。修了後、寺の跡を継ぐため高野山(和歌山県)で修行し、その後は寺を手伝いながら漆芸家として活躍。50代半ばで本格的に寺を継ぐまで、活動を続けた。
きっかけは10年前。護摩壇を新設することになり、手作りすることを決意した。原寸大のイメージ図を描き、技法などの検討を重ね、制作に取り掛かった。
「脱活乾漆」
技法は、興福寺(奈良県)の国宝・阿修羅像と同じで、「挑戦したかった」という『脱活乾漆(だっかつかんしつ)』を採用。土で作った原型に麻布を漆で貼り重ね、中の土を取り除く技法で、時間も手間もかかることで知られる。
関さんは、寺の仕事の合間を縫って少しずつ制作。完成した像は、台座から炎の光背を含め約180cm。檀家からも「素晴らしい出来」と声が届く。関さんは「たくさんの方に見に来ていただきたい」と話している。
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