鎌倉幕府誕生を背景に、権力の座を巡る男たち女たちの駆け引き-。源頼朝にすべてを学び、野心とは無縁だった2代執権・北条義時はいかにして頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に繰り広げられる2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜午後8時〜)が、1月9日(日)に幕を明ける。
三谷幸喜さん脚本。主人公義時を小栗旬さんが演じ、新垣結衣さんや菅田将暉さん、さらには大泉洋さん、小池栄子さん、片岡愛之助さん、三谷作品常連の佐藤浩市さんに西田敏行さんと豪華俳優陣が並ぶ。語りは長澤まさみさんが務める。
寒川ゆかりの梶原景時役は中村獅童さん。景時は、鎌倉幕府を支えた宿老13人のうちのひとりで、幕府成立に大きな影響を及ぼした人物でもある。獅童さんは本紙取材に、「全身全霊、心を込めて演じていきます。地元の方に楽しんでいただける作品になると思います」と語った。
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--自身7作目となる大河ドラマですね。
役作りのため、髭もこんなに伸びたままです(笑)。脚本が昔からご一緒させていただいている三谷幸喜さんで、どんな風に書かれるのか楽しみでした。
撮影は進んでいて、僕の役はこれまでで1番まじめかもしれません。いや、めちゃくちゃまじめです。一方で、大泉洋さん演じる源頼朝や菅田将暉くんの源義経など、時代劇でよく登場する人物を三谷さんがどのように描くのか、個人的にも楽しみです。撮影はまだまだ残っているので、自分の役もどうなっていくかワクワクしています。
--獅童さん演じる梶原景時はもともと敵だった源頼朝の命を救った人物と言われています。
歌舞伎では「梶原平三(かじわらへいぞう)誉石切(ほまれのいしきり)」をはじめ、さまざまな演目で登場し、僕も演じたことがあります。
景時は悪く描かれることが多いですが、調べてみると実直で冷静沈着。博学でもあります。景時が頼朝についたことで歴史も大きく変わりました。自分の使命を尽くすというイメージですかね。鎌倉にあるお墓にはまだ行けていないので、時間ができたらお墓参りしたいと思っています。
--役者として大切にしていることはありますか。
「感じる」ことです。何かを感じることができるからこそ、役者として発信できると思うんです。常に何かを感じていないと、怒りや喜びも表現できないですから。時代もそうですね。映画『ピンポン』を機にいろいろな作品に出だした頃と今では、中村獅童に求められるものも違ってきています。1人よがりにならないよう、人々が何を求めているのかを感じようと意識しています。
もうひとつは「考える」ことです。現場では動物的ですが、役を構築する際はとにかく考えます。その人物に関して描かれていない行間、その人の過去などを構築していくことを大切にしています。ついつい無意識に考え事をしてしまい、休みで海に出かけているのに、ひらめいたらすぐに事務所へ電話しちゃって。歳を重ねましたが、「人生の折り返し地点」という言葉が嫌いで、ずっと直線を突っ走っていたいですね。
--いよいよドラマが始まります。
コロナ禍で、苦しいこともたくさんあると思います。僕たち役者は、みなさんが笑ったり、感動して泣いたり、元気になったりさせる仕事です。景時にゆかりがある寒川の人たちが大河ドラマを楽しんでいただき、笑顔になってもらえたら何よりです。寒川にも行ってみたいですね。
もし僕を見かけることがあったら、遠慮なく声をかけてください!
相模国一宮に景時の館
「相模国一宮」に景時の館があった事は『吾妻鏡』に記されている。一之宮の天満宮にはその石碑も。町観光協会では景時の旗を作ったり景時関連の歴史探訪ツアーも開催している。
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