ふん尿被害や発情期の鳴き声など、「野良猫問題」は長年地域を悩ませている。「寒川ねこ倶楽部」では、2018年から寒川町の登録団体として「不幸な野良猫を増やさない」という理念のもとTNR活動や保護を行っている。町と協働で「人と猫の共生」を目指した環境保全活動に取り組み、9月から譲渡会を毎月実施することにした同倶楽部の藤澤代表に話を聞いた。
TNR活動とは、Trap、Neuter、Returnの頭文字を取ったもので、野良猫を捕獲し、不妊去勢手術を受けさせ、元の場所に戻すことを言う。藤澤代表によると、猫の数を抑制できるほか、発情期の鳴き声や尿によるマーキングの軽減、猫同士の喧嘩の減少などの効果が見込めるという。同倶楽部がこれまで不妊去勢手術を行った猫は、約500匹に上る。
猫は年に2〜3回、1回に4〜6匹の子猫を生むと言われており、生まれた子猫も生後半年で出産するようになる。不妊去勢手術をしていないと猫は増加するばかりで、藤澤代表は、増えすぎてしまった猫が「虐待された姿も見てきた」と言う。
また、町内には「うちは自由」「トイレは外ですればいい」と放し飼いにする人がいるほか、高齢の飼い主が入院したり亡くなった後、猫だけ残されトラブルに発展するケースも。同倶楽部に連絡があり捕獲に出向くと、「手術反対派」から猫を隠されたこともあった。藤澤代表は「猫に対する皆さんの思いはさまざま。それは重々承知している。しかし、放っておくと環境の悪化や住民トラブルにつながりかねない。もう繁殖しない一代限りの命を”地域猫”として見守ってほしい」と話す。
譲渡会は毎月第3土曜
今年6月、同倶楽部が譲渡会を初めて実施したところ、町内外から100名以上が訪れた。9月からは、第3土曜日の午前10時から正午に、寒川町役場中庭で毎月実施することが決まった。次回は10月15日(土)を予定。
活動の詳細は「寒川ねこ倶楽部」で検索を。里親情報などが掲載されている。
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