75歳以上の後期高齢ドライバーの運転免許返納状況について、タウンニュース社はこのほど、県内33市町村を対象に調査した。県警運転免許センターの統計をもとに独自集計した結果、2021年の寒川町における返納率は3・52%(返納者74人/免許保有者2100人)で、およそ28人に1人が返納したことが分かった。
東高西低
県全体の返納率は約16人に1人の割合の6・01%だった。市町村別で最も高いのは、川崎市(7・54%)。次いで葉山町(7・20%)、鎌倉市(6・77%)、横浜市(6・71%)と続く。最も低いのは箱根町(1・86%)で、川崎市と約4倍の開きがあった。
返納率は都市部が高く、箱根町のほか大井町や中井町など山地が広がる県西地域の自治体が低い傾向がみられた。
政令市の区を含めた詳細な集計では、川崎市の中でも中原区(9・16%)の高さが際立った。中原警察署は「武蔵小杉駅だけで鉄道6線が乗り入れていることに加え、路線バスの便数が多くアクセスしやすい」と、交通の利便性を要因の一つにあげる。
「車ないと不便」
一方、箱根町を所管する小田原署は「(同町は)集落が点在しており交通手段が多くない。車がないと不便に感じる人が多いのでは」と山間部ならではの実情を説明した。また、「車の運転は生活の一部であり、既得権益。返納することが必ずしも是とは言えない」と、一律に免許返納を求める考えはないことを示した。
自主返納支援も
近年、免許の返納者数は全世代で増加傾向にある。東京・池袋で高齢ドライバーによる母子らの死傷事故が発生した2019年には、県内で前年比約1・5倍の4万6159人が返納。20年、21年も4万人超で推移している。
寒川町を管轄する茅ケ崎署によると、同署内での返納理由はさまざまだが、「何かあってからでは遅い」「家族のすすめ」等が大多数を占めるという。
免許を自主返納すると、公的な身分証明書として使用できる「運転経歴証明書」を申請することができ、同書を提示すれば、県内の企業や小売店でさまざまな優待サービスを受けられる。返納や安全運転の相談は警察署の他、免許センターで受け付けている。
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