昨年6月に五島明彦院長の逝去により閉院した「五島クリニック(倉見2197)」が、地域交流サロン「しゃべるーむ」として生まれ変わった。院長の妻で同サロンの代表を務める五島瑞枝さんは、「自由にゆっくり、のびのびとやっていければ。皆さんがおしゃべりを楽しみ、憩いの場になっていくとうれしい」と話している。
4月から始まった同サロン。毎月第3金曜日の午前10時から正午に開催しており、3回目となる6月16日には、約30人がおしゃべりやワークショップ等を楽しんだ。参加費は1人100円(保険代込)。
亡き院長の遺志継いで
五島クリニックは、1991年に開院して以来、地域に根差した医療を提供してきた。瑞枝さんも看護師として勤務しており、「お話したり、患者さんの笑顔で私たちの方が元気をもらっていた」と当時を振り返る。
瑞枝さんによると、明彦院長は「休診日でも来てしまうほど、患者さんと関わることやクリニックのことが大好きだった」という。しかし、明彦院長は病気のため昨年6月に他界し、クリニックも閉院した。「闘病していることはほとんど明かしていなかったので、患者さんも驚いたと思う」と瑞枝さん。
院長亡き後、ふさぎ込んでしまった瑞枝さん。一人暮らしになると声を出すことも少なくなったと言い、笑顔も喜怒哀楽も無くなっていった。
週に一度は風通しのため医院に通っており、その時に「いいクリニックだったね」「大丈夫?元気にしてるの?」「お線香をあげさせて」など、地域の人からたくさん声を掛けられた。「皆さんの優しさに救われた」とじょじょに元気を取り戻し、「地域のために何ができるだろう。またこのクリニックに皆さんが集まったら院長も喜ぶかもしれない」と、地域交流サロンを始めた。
瑞枝さんは、「きっと院長も“いいなぁ”と見守ってくれていると思う」と微笑んだ。
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