創立40周年を迎えた茅ヶ崎交響楽団の団長を務める 西山 実さん 岡田在住 59歳
「音楽の喜び多くの人に」
○…茅ヶ崎を拠点として活動する市民オーケストラ「茅ヶ崎交響楽団」の団長を2019年から務める。同楽団は今年、創立40周年を迎え9月10日には記念の定期演奏会を控える。「ここまで続けてこられたのは団員や家族、何よりも聞きに来てくれたお客様のおかげ。感謝を込めていい演奏を届けたい」
○…寒川町出身。音楽との出合いは中学生の時。「経験ゼロで楽譜も読めなかったけれど、1つ上の先輩に誘われて」吹奏楽部に入部した。クラリネットを担当し「合奏の楽しさ」を知ると、大学ではオーケストラ部に所属。ところがクラリネット奏者が足りていたため、バイオリンに転向することになった。「未経験でしたが『合奏』については分かっていたので戸惑いはなかった。それに自分にとってバイオリンは合っていたみたい」と振り返る。
○…「社会人になっても音楽は続けたかった」と1989年、茅ヶ崎交響楽団に入団。以来、70回近い演奏会に出演してきた。普段はIT企業でプログラマー、エンジニアとして働く。「若い頃は土日出勤も当たり前」の忙しさだったが、楽団を辞めることは考えなかったという。「両立は大変だったけれど、毎週数時間、音楽に没頭する時間があったおかげで仕事も続けられた。それにみんなで一つの音楽を作る、その快感が忘れられなくて」と笑う。
○…団長就任の直後にコロナ禍に見舞われ、いくつかの演奏会の中止を余儀なくされた。「音楽ができるのは平和だからこそ。『当たり前』のありがたさを忘れないようにしたい」としみじみ語る。楽団の今後について「まだまだ上手くなれると思っているので、まずは音楽的追求を続けたい。その先に次の節目が見えてくればうれしい」