県のなでしこブランドに認定された「PonCha」を手掛ける菱和園の代表取締役 山田 仁子さん 寒川町内在住 52歳
もっと手軽にお茶を楽しんで
○…父の後を継ぎ、2021年に日本茶の製造卸業を営む「菱和園(本社/寒川町)」の代表取締役に就任した。大学時代から同社に籍を置き、営業や経理業務に邁進。慌ただしい日々の中で徐々に感じていった「お茶離れ」を無くしたいと、数年前から若手社員らと共にフリーズドライティー「PonCha(ポン茶)」の開発に着手した。「もっと手軽にお茶を楽しんでいただきたい。そんな思いを形にしました」と、うれしそうに商品を並べる。
○…PonChaの開発には女性の意見がふんだんに取り入れられた。販路拡大などを模索する中で、県の「なでしこブランド」を知り、迷わずチャレンジ。認定の知らせを受け、「驚きとともに、スタッフ一同とても励みになりました。これをきっかけに商品を広く知っていただければ」と微笑む。
○…祖父が1967年に山梨で創業した「菱和園」。茶葉の香り漂う祖父母の仕事場に幼い頃からよく遊びに行っていたといい、「お弁当を食べながらずっと眺めていた」と穏やかな思い出を振り返る。中学生になると、父が「のれん分け」する形で茅ヶ崎に工場を開業。「姉が継ぐと思っていたから、私は私で自立しようとCAを目指していた」という大学3年時、家族会議で姉が辞退し、父と目が合った瞬間「私やります」と手をあげていた。「結局、お茶が好きだったのよね」
○…30歳で結婚し、2人の息子に恵まれた。高校でハンドボールに打ち込む次男のために毎日「2リットル弁当」を作っている。休日は弁当の仕込みか「自分メンテナンス」の他、「山梨に戻った両親によく会いに行っている」。夢は、本格的なお茶を楽しめるカフェを町内に開くこと。挑戦は止まらない。