優良店舗県知事賞を受賞した大黒屋の店主 野中 正博さん 岡田在住 49歳
長年の信頼を守っていく
○…平成28年度の神奈川県優良小売店舗表彰で、県知事賞と商工会連合会会長表彰を受けた。「まさか受賞できるとは思わなかったので、率直に言って嬉しかった。地域のみなさんのおかげです。長年商売してきたご褒美ですね」と嬉しそうな表情で話す。
○…大黒屋は昭和11年の創業。祖父の代から80年以上も営業を続けている老舗和菓子店だ。子どもの頃から「長男だし、いつかは家業を継ぐことに」とおぼろげに思っていたそうだが、「祖父の葬儀のときに大勢の方が弔問に来られたのを見て『すごい』と思いました。長年の信頼を守っていかなければと、このとき決断しました」と目を輝かす。進路として視野に入れていた公務員から一転、東京製菓学校に入学。基礎を学び、25年前から父親を手伝うように。現店舗の建築中に父親が亡くなり、今は母親と一緒に店を切り盛りしている。「親父と一緒に新店舗でやりたかった。それだけが心残り」と話す。
○…地域に密着した活動にも熱心だ。寒川青年会議所には28歳のときに入会。40歳の卒業まで所属した。「長く所属していないと、その団体の本当の良さがわからない。1年でも長くできるように早く入会して下さい」と呼びかける。寒川商業協同組合では『すいせんカード』の普及に忙しい。
○…趣味は写真撮影。小学生の頃、一眼レフを手に町の行事や鉄道などを追いかけた。「飽きっぽい性格なので一度撮影からは遠ざかりました」というが、デジカメ時代の到来とともに復帰。今ではブログにその成果を上げるなど、全国各地で被写体を追いかける。「花は写真家・秋山庄太郎氏のマクロレンズの世界に魅せられた。一時期はかなりはまりましたね」。花や風景の幻想的な雰囲気の作品がブログを彩る。「薔薇は好きな花ですが、表現するのが難しい。製菓学校時代に『感性を磨け』とよく指導されたものです」と話は尽きることがない。